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スウェーデンのパイクパーチ漁業が新たにMSC認証を取得

スウェーデンのメーラレン湖とヴェーネルン湖で獲られるパイクパーチ(学名:Sander lucioperca)がこの度、MSCの「海のエコラベル」を付けて販売されることになりました。独立した第三者認証機関がMSC規準に照らして審査を行った結果、メーラレン湖・ヴェーネルン湖のパイクパーチ漁業は、適切に管理された持続可能な漁業としてMSC認証を取得しました。2006年8月にイェルマレン湖のパイクパーチ漁業が淡水業として初のMSC認証を取得しましたが、それに続く快挙となります。

MSCバルティック海地域担当プログラム・ディレクターのミンナ・イップスは次のようにコメントしました。「MSC審査プロセスにより、このような大規模な淡水漁業も持続可能な管理がなされていることが実証されました。漁業者のみなさんが漁業を守るために協力し、MSC認証を取得するために取り組んでこられたことを大変うれしく思います。その努力が実り、持続可能で追跡可能なMSC認証パイクパーチを、スウェーデン国内外のヨーロッパ市場に出荷できるようになりました。」

厳格な要求事項を満たす漁業

スウェーデンのヴェーネルン湖・メーラレン湖・イェルマレン湖のパイクパーチ漁業は慎重に管理されており、漁業ライセンスと規制によって漁業者数と漁具を制限し、水産資源および生息域が確実に保護されています。トラップおよび刺し網で使用する網目は、体長45cm未満の魚の漁獲を減らす大きさであり、誤って網にかかってしまった魚は水中に戻されています。パイクパーチにタグを付けて調査を行った結果、戻した後の生存率が高いことがわかっています。

ヴェーネルン湖の漁業連合会長のコニー・グスタフソン氏は、「認証を取得するにあたり、パイクパーチの体長制限を厳しくしたり、網目を大きくしたりする等の改善措置を実施しました。これにより、小さな魚の漁獲が激減しました」と述べました。

漁獲量は年ごとに変化します。スウェーデン最大の湖であるヴェーネルン湖では、約70人の漁業者が漁を営んでおり、毎年60トンから120トンのパイクパーチを獲っています。メーラレン湖では33人の漁業者が、年間100トンから200トンを水揚げしています。

スウェーデンの淡水漁業連合会長のマッツ・インゲマールソン氏は、次のようにコメントしました。「MSCの要求事項を満たすことができて、大変光栄に思っています。我々の漁業が持続可能であることが確認できたからです。認証取得に向け、漁業者が力を合わせたことを特に誇りに思っています。」

持続可能な高級魚

パイクパーチはペルカ科の魚で、主に湖に生息しています。柔らかい白身魚なので、北欧とヨーロッパ全域で好んで食されており、スウェーデンの商業淡水魚業にとっては、最も重要な魚種です。

水揚げされたパイクパーチの一部は、2016年11月にオープンしたストックホルムのMSC認証水産物の競売に直接出荷されます。大部分のパイクパーチは、需要の高いドイツとオランダに輸出されています。

ストックホルム水産競売市場のCEO、ヘンリック・ヨハンソン氏は次のようにコメントしました。「MSC認証パイクパーチの供給量が増加したことは、ストックホルム水産競売市場にとって朗報であります。スウェーデンの湖で獲れるMSC認証パイクパーチは高級魚であり、スウェーデン国内外で高い評判を得ています。より多くの安定した供給量があれば、重要な市場関係者と恊働する機会が、今後さらに増えることでしょう。」