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Aker BioMarine のオキアミ漁業がMSCの認証を取得

Aker BioMarine (アケール・バイオマリン)のオキアミ(Euphausia superba) 漁業が、MSCの持続可能で適切に管理された漁業に対する、厳密かつ独立した認証機関による審査を経て、MSC認証を取得しました。この南極海域の漁業による水産物は、持続可能な漁業によって獲られたものとして、MSCのエコラベル表示が可能になります。 Aker BioMarine の漁業による製品のみが、MSCのエコラベルを付けることができます。

 Aker BioMarineのオキアミ漁業は南方海域の、南極海で操業されています。南極における漁業は全て、南極における海洋資源の保護と管理のために1982年に設立された、南極海洋生物資源保存委員会(the Commission for the Conservation of Antarctic Marine Living Resources -CCAMLR )により管理されています。管理ルールとその実施は生態系に配慮した予防的な原則に忠実に沿っています。CCAMLRにより定められたオキアミの漁獲レベルは、オキアミの資源量、およびオキアミを餌とする南極における生態系の種に対するリスクを最小限に抑えるため、科学専門委員会の助言に基づいて設定されています。

 現段階では、オキアミ漁の漁業圧は非常に低く、最新の推定バイオマスレベル(CCAMLRによると3,700万トン)の1%未満です。Aker BioMarineによる漁獲量は年間 40,000 から 50,000 で、総漁獲可能量は350万トンです。この海域で操業する漁船全体による、2007年から2008年の総水揚げ量は、150,000 トンで、この年の総漁獲可能量の約4%となっています。

 ステークホルダーの諸団体、WWFノルウェーと南極・南方海域連合(the Antarctic and Southern Oceans Coalition -ASOC)は、審査機関の報告書とデータに対する厳密な評価と積極的な関与により、認証の決定に多大な貢献をもたらしました。審査のプロセスにおける各段階で、ステークホルダーは関心を持つべき様々な点を指摘していますが、それらはオキアミ漁に対する科学的視点に立ったより深い理解を支える、今後の具体的な取組みにつながることとなりました。

管理計画は、このオキアミ漁業が混獲種と捕食種へ与えるリスクへの理解度、さらなる研究とリスク評価のための具体的なアクションを定義づけたプログラム、といった事柄に対する、ステークホルダーの関心を踏まえたものとなっています。

これらのアクションの進捗状況は年次監査で確認され、ステークホルダーは報告データと、それが漁業の実態や評価にどう影響しているかを、さらに吟味する機会を与えられることとなります。

WWFノルウェーの、コンサーベーション・ディレクター(自然保護室長)である、ニーナ・ヤンセン(Nina Jensen)は次のように述べています。

「Aker BioMarineによるオキアミ漁業は、最も積極的な事前対策を行っており、監視員による監視エリアが100%であることや、リアルタイムの報告手続きなど、この漁業が持続可能であり続けることを確実にするための、適切な措置が取られています。また科学者の同乗を受入れるなど、科学的な調査に対する貢献も行っています」

Aker BioMarine の最高責任者であるハルバード・ムーリ(Halvard Muri) はこの認証を喜び、次のように述べています。「環境の持続可能性に対し全力で取組んでいる企業として、MSCの認証取得は大きな喜びです。この認証は、我々が持続可能性、およびオキアミの資源量と生態系の維持に注力し続けてきたことを示す、大きな一歩となりました。MSCの認証は、オメガ3脂肪酸に富むオキアミ油製品と原料が、持続可能な形で収穫されていると消費者に保証し、持続可能性に一票を投じる機会を与えるものと期待しています。」

MSCの最高責任者、ルパート・ハウズは次のように述べています。

「Aker BioMarineの南極オキアミ漁業の認証を嬉しく思っています。オキアミのような栄養段階の下層にある種の漁獲、また南方海域での漁業のメリットに対しては、相違する見方があることから、この漁業を本審査に進めるのは英断とも言えることでした。MSCの認証は全ての漁業に対して開かれ、国連FAOの信用ある認証とエコラベル制度の指針に沿っています。これは、あらゆる漁業がMSCの規格に沿う努力を行い、環境保護に関し持続可能な対策の実施を示すことができると保証するものです。審査を受ける個々の漁業が、環境に対し責任を持ち持続可能であるというMSCの規格に沿っているかの決定は、第三者認証機関による、厳格な科学的見地に基づいた審査に委ねられています。このオキアミ漁業は、MSC規格を満たしています」

「MSCの認証制度はまた、ステークホルダーが審査の過程に深く関わることを前提としていますが、ASOCとWWFノルウェーの関与は、今回の審査に恩恵をもたらしました。最終的な決定、および合意に至ったこの漁業へのアクション・プランに対し、多大な貢献がこれらの団体によって成されたことを感謝しています」

以上

*団体名などの表記はご参考としてのものです