「よりシンプルに、より速く、さらに一貫したものへ」
ロンドン―2 年にわたる科学的な協働と協議を経て、海洋管理協議会（MSC）は新たな漁 業審査方法を本日発表した。新たな審査方法は、漁業パフォーマンスを審査する基準の高 さを変えることなく、漁業審査の質と一貫性を高めるよう考案されている。
この新しい漁業審査方法は、既存のMSC 漁業審査方法（審査のプロセスを定めたもの）に付加され、世界で最も信頼されている水産物認証制度の中核をなす認証プロセスをより強化するものとなる。
この新たな審査方法の発表は、漁業審査プロセスの変更を意味する。これまで独立の認証機関は、審査を受ける個々の漁業ごとに評価ツリ―を作成しなければならなかった。新たな審査方法では、デフォルトの評価ツリ―が用意され、すべての新たな審査の基礎として用いることができる。すなわち、今後、MSC 基準を満たすには正確に何が要求されるのかを、すべての漁業が予め知ることとなる。加えて、この新たな評価ツリ―は、認証機関がMSC 基準を正確にどう解釈すべきかを明示した包括的ガイダンスに依拠している。
このプロジェクトを担当しているMSC の副最高責任者、Chris Ninnes は次のように述べた。「この統一された評価ツリ―には、31 のデフォルトの評価指標と得点基準があり、今回の発表は、漁業の持続可能性に対し世界で最も厳格な基準を用い、その基準の適用を
さらに改善する手段を生み出そうという、2 年にわたる徹底的な努力の成果です。この新たな審査方法は、1990 年代に基準が設けられて以来、MSC の取り組みにおける最大の変化となります。新たな審査方法で合否の水準が変わることはありませんが、最初から評価ツリ―を定めることによって、審査の一貫性は向上します」。
新たな審査方法によって、合否の水準が上下することが起こらないようにすることが、策定に当たったチームの主要な課題であった。MSC の漁業審査ディレクター、Dan Hoggarth談：「この新しく統一された評価ツリ―は、MSC 基準の操作的解釈を規定するものです。これは、独立の認証機関、審査の専門家、および他の利害関係者との協力のもとで策定、テストされたものです。この新しい評価ツリ―による得点が以前のツリ―と比べて、同等なものであることは、数多くのテストによってはっきりと示されています」。
漁業審査方法は、今後2 年をかけて段階的に実施し、2008 年7 月以降本審査に入る漁業より有効となる。詳細については、MSC のウェブサイト、www.msc.org/about-us/standards/methodologies/famを参照のこと。
以上