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MSCが100万ポンドの海洋管理基金の設立を発表

持続可能性に向けた漁業の取り組み、及び革新的な科学研究を支援

MSC(海洋管理協議会)は、持続可能性を目指す小規模漁業及びグローバル・サウス(南の発展途上国)における漁業の取り組みを支援するため、100万ポンドの基金およびイニシアチブを発足させました。MSCは、その設立当初よりグローバル・サウスの漁業と密接に関わっており、持続可能なレベルへの到達を阻む様々な要因についての知見を蓄積してきました。この基金は漁業の支援だけでなく、漁業管理のために必要なデータや情報の不足を補完するための研究を支援することで、さらに持続可能な水産市場への変換を推進して参ります。

MSCは、国連事務総長の海洋特命全権公使を務めるピーター・トムソン氏とスウェーデン副首相のイサベラ・ロヴィーン氏によって設立された世界経済フォーラムのFriends for Ocean Actionと密接に恊働しながら、海洋が直面している最重要課題の解決に向けた実践的な取り組みの構築、拡大、迅速化を図っています。MSCは、多種多様なパートーナーのリーダーシップとの取り組みを通じて、2020年までに世界の漁業の20%を、持続可能な漁業を認知し報奨するMSCプログラムに参加させることを目指しており、2030年までに世界の3分の1を超える漁業をプログラムに迎え入れることを目標としています。これは国連の持続可能な開発目標14(SDG14)「海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する」と足並みを揃えたものです。

MSC (海洋管理協議会)の最高責任者、ルパート・ハウズは次のように述べています。「この目標を達成するためにはグローバル・サウスの漁業と戦略的に取り組んでいく必要があります。世界の水産物の70%以上がグローバル・サウスの漁業によって供給されています。その多くはデータ不足で、MSC認証を取得するレベルにありません。MSCの100万ポンド海洋管理基金は、そうした漁業の持続可能性を促進するために設立されたものです。」

また続けて、こう述べました。「MSCの新たな基金は、コーラル・トライアングルからマダガスカルとスリナム周辺の海域までの多様な生態系で操業する小規模漁業の改善を促すために、MSCがこれまで利用してきた持続可能な漁業のためのグローバル基金の経験と実績を基に設立されました。新基金はその規模を拡大しており、MSC認証漁業への正式な移行プログラムへの参画を果し、確実に業績を改善していく漁業に対して支援を行っていきます。」

資金は、申請漁業が持続可能性を阻む課題を克服し、生産力や知識の向上、およびMSCの予備審査によって明らかとなった特定のデータ不足の問題を改善するために利用されます。業績の改善は、SDG 14.2 , 14.4, および14.7の達成に寄与し、海洋生態系の持続可能な管理、および効果的な漁獲管理により過剰漁獲の抑止に貢献することになります。

このイニシアチブ発足のニュースは、世界の海洋リーダーたちからも歓迎されています。

国連事務総長の海洋特命全権公使で、Friends of Ocean Actionの共同議長を務めるピーター・トムソン氏は次のようにコメントしています。「私たちの海はいま、苦境に立たされています。持続可能な漁業への転換と復元力のある海洋生態系の構築を果すため、大規模な解決策を早急に実践していかねばなりません。グローバル・サウスの漁業との恊働とその支援の更なる強化、そして世界の多くの漁業にとって有益な科学研究に向けたMSCによる最新のイニシアチブを歓迎いたします。」

スウェーデン副首相で、Friends of Ocean Actionの共同議長を務めるイサベラ・ロヴィーン氏は次のように述べています。「世界の30億を超える人々は、動物性のたんばく源を海洋に依存しており、数億人の人々が直接的または間接的に海洋漁業に従事しています。そしてそのほとんどが小規模漁業です。海洋および海洋生態系の保全は、人類の存続に関わる問題です。グローバル・サウスにおける漁業への取り組みを強化し、持続可能な漁業への転換を促進するMSCの自発的な取り組みを歓迎いたします。この基金により、海洋保全に向けた業績改善が推進されることを期待します。」

基金のガバナンスおよび申請手続きの詳細な計画は現在進行中であり、2019年初頭に発表される予定です。MSCは今後、MSCとビジョンを共有し、健全で生命にあふれた海を守り、水産物の供給が将来にわたって続いていくことを願う財団やビジネス、個人投資家からの寄付を募って行きたいと考えています。

(了)