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MSCが10周年を迎える

ロンドン―今年、海洋管理協議会(MSC)[1]は10周年を迎えます。最初の漁業がMSCの審査に入った年から10年目となります。MSCでは、 水産物業界が示した倫理的リーダーシップと水産物市場の持続可能な市場への加速的な移行をハイライトに、1年を通じて世界各地で「パートナーシップと前進 の10年を祝う」をテーマとする活動を予定しています[2]。

MSC役員会会長、Will Martinの談話:「この10年間で、持続可能な水産物の市場とMSCは変化し大きな発展を遂げました。MSCと水産物業界は共に長い道のりを歩んで参 りましたが、私たちはこれまでの成果を誇りに思います。過去3年間で、この取り組みに参加する漁業は4倍に増え、MSCラベル製品の数とその販売も、この 急成長と同じく急増しています。これは、持続可能性に対する水産業界の取り組みがMSCを後押しし、その勢いが衰えることがないことを示すものです。この 10周年をもって、これまでの結果を確認するとともに、MSCと海洋の未来にとって正念場となるこれからの10年に目を向ける節目としたいと思います」。

MSCの取り組みに携わる漁業の数は、1999年のわずか3から2009年には140を超えるまでに増加しています[3]。また、1999年から 2009年に至るこの期間に、漁船から食卓までのMSC認証水産物のトレーサビリティ―を保証するCoC認証の取得者数は830まで増加しました。結果的 に世界42ヵ国で2000を超えるMSCエコラベル製品が流通し、その推定年間販売額は約10億ドルを超えています。

MSCの取り組みの中で、関係者との協議は設立当初よりMSC制度の核となる部分であり続けてきました。科学、産業、NGOを主導する優れたパート ナーの代表がMSCの運営組織に入り、方針決定や戦略展開について見解を提供してきました。MSCは、特に漁業審査方法の質と一貫性に重点を置きながら、 制度の向上を続けています。

最近の改善点として、新しい漁業認証審査方法の発行が挙げられますが、これは各漁業の審査において使用される得点指標をあらかじめ設定したもので す。この新しい審査方法を用いることによって、厳密かつ徹底した独立の科学的審査プロセスを維持したまま、審査を迅速に進めることが可能となります。 MSCはまた、サプライチェーンにおける確実性強化に向けた追加的措置の検討・実施にも取り組んでいます。独立機関によるサプライチェーン全体のトレーサ ビリティ―の査察に加えて、認証を受けた水産物のDNA検査や、無作為に選んだ製品の供給源追跡調査といった新しい方法を現在実施しています。

MSC最高責任者、ルパート・ハウズ談:「パートナーの皆様の支援によって、MSCの創立者らによる壮大かつ大胆な発想を、現実のものとすることが できました。MSC のエコラベルは、10年の時を経て、世界で最も広く認知かつ信用される天然漁獲の持続可能な水産物を対象とするエコラベルとなりました。とりわけ重要なの は、MSCの影響を受けて環境保護とビジネスが共に進歩していることです。この取り組みのさらなる向上に向け、これまでの10年間から学び、共に協力し続 けることが求められます」。

「私たちがこの10年間で達成できたことはすべて、MSCを支援してくださる方々のネットワークによる賜物です。MSCの取り組みに賛同して参加く ださっている世界中のパートナーの皆様、漁業者の方々、水産業界、小売業界、外食業界やNGOの方々、そして、この10年の間に、健全で豊かな海への私た ちのビジョンを共有し、私たちの取り組みに対して貴重な資金をご提供くださっている財団、団体、個人の皆様全員に、この場を借りて感謝の意を表します」。

以上

編集の方への注釈

 

[1] 海洋管理協議会(MSC)は、魚の乱獲問題に対する解決策を推進すべく、1997年に設立された国際非営利組織です。MSCは、天然魚漁獲漁業対策で唯一 広く普及した環境認証 と、エコラベリングの運営に取り組んでいます。このエコラベルは、ISEAL社会環境基準設定のための適正実施規範、および、国連FAO漁業認証ガイドラ インに準拠した、唯一の水産物エコラベルです。MSCはロンドン、シアトル、東京、シドニー、ハーグ、エジンバラ、ベルリン、ケープタウンに事務所を設け ています。

[2] MSC10周年記念行事として、以下を予定しています。

•    1999年~2009年までにMSC基準認証を取得した全漁業を紹介する出版物の発行
•    サンディエゴで開かれるSeafood Choices Alliance Summitへの出席(2009.2.1~2.4)
•    国連食糧農業機関(FAO)水産委員会(COFI)の会合でのサイドイベント(2009.3.2~3.6)
•    International Boston Seafood Showへの出展(2009.3.15~3.17)
•    Sustainable Seafood Day Australia(2009.3.20)
•    Brussels seafood showでの記者会見(2009.4.28)
•    東京シーフードショーへの出展(2009. 7.22~7.24)

行事など10周年の詳細については、www.msc.org/10をご覧ください。

[3] 合計で、140を超える漁業がMSCの取り組みに参加しており、うち39例が認証取得、88例が審査中、20から30例が非公開の予備審査中となっていま す。これらの漁業による年間の水産物漁獲量は総合で5百万トンを超え、食用の漁獲物については、世界の天然サケ漁獲量の42%、世界の主要ホワイトフィッ シュ漁獲量の40%、世界のイセエビ漁獲量の18%に相当します。

MSCの詳細については、www.msc.orgをご覧ください。