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MSCがデータ不足漁業の参加をさらに推進

ロンドン―海洋管理協議会(MSC)が、「漁業認証審査方法(FAM - Fisheries Assessment Methodology)」の第2版を発行しました。改訂版では、リスクベース・フレームワーク(RBF - Risk Based Framework)を完全にFAMに組み込み、小規模漁業や開発途上国の漁業に特に多く見られるデータ不足漁業の審査がMSCプログラムの中心に据えられています。

MSCでは、MSCプログラムとその認証に関連する便益が、すべての漁業に開かれたものとなるように尽力しています。リスクベース・フレームワークの導入により、認証機関は、構造化されたフレームワークを用い、データが十分でない漁業について、持続可能な漁業が行われているか否かを判断することができます。5年にわたるステークホルダーからの意見提供や漁業審査の試行を経て構築されたリスクベース・フレームワークは、二段階構造となっており、まずは、認証機関が、地域の生態に関する知見を含む専門家の意見を収集する、定性的なステークホルダー主導のプロセスが行われます。そして必要に応じて、対象魚種に関して、生産力に基づいた半定量的評価と漁具による影響についての審査を行います。リスクベース・フレームワーク審査方法は決して基準を下げるようなものではなく、「通常」の審査との比較において、よりリスク回避型の審査方法であり、定量的データの不足を補うための追加予防措置を強く求めるものとなっています。

サウスブルターニュのイワシ漁業、スリナムのアトランティックシーボブ漁業、セントヘレナのマグロ漁業、そして北メナイ海峡のイガイ漁業は、既にリスクベース・フレームワークを用いた本審査を受けています。

MSCのAmanda Stern-Pirlot(Project Manager for Developing World Fisheries)談:「漁業認証審査方法にリスクベース・フレームワークが組み込まれたことは、5年におよぶMSC の仕事の集大成であり、特に開発途上国におけるMSCプログラムへのアクセスを改善するための私たちの熱意を明確に示すものです。今回の改訂版審査方法によって、持続可能な漁業を行っているにもかかわらず、特定の領域において十分なデータが存在しない漁業であっても、MSC基準に則した審査を受けることが可能になり、認証取得に成功すれば、より大規模で十分なデータのある漁業と同じように、認証による便益を享受することができるのです」。

「試行審査に携わってくださった漁業者および認証機関の方々、また、このフレームワークの開発に大きく寄与してくださった漁業リスク評価の専門家の方々をはじめ、この審査方法の作成にご協力いただいたすべての方々に、MSCを代表してお礼を申し上げます。皆様のご協力によって待ち望まれていた漁業認証審査方法を作り上げることができました。これによって、多くの漁業が恩恵を受けることになるでしょう」。

以上