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MSCとASCが協働で海藻の国際規準を策定

2016年3月1日(ロンドン)水産養殖管理協議会(ASC)と海洋管理協議会(MSC)はこの度、海藻生産者を認証するための国際規準を協働で策定することになりました。水産物の認証およびラベリングにおける世界有数のプログラムであるASCとMSCの専門性を活かすまたとない機会です。この海藻規準の策定により、環境に配慮した、持続可能で、社会的責任を果たす海藻生産が推進され、世界の水圏生態系の健全性に貢献します。

持続可能で責任ある海藻の生産で世界の需要を満たす

生産量の増加に伴い、海藻に対する認証を求める声が高まる中、MSCとASCは環境的に持続可能で社会的に責任ある海藻生産者を報奨するための国際基準を設定し、更なる改善のための指標を提供する必要性を認識しています。

MSCの水産科学および規準ディレクター、デビッド・アグニューは次のように述べています。「ASCとMSCは、持続可能性に関する相互の原則および基準を反映させ、最新の科学および FAOの「水産物エコラベルのためのガイドライン」やISEAL(社会環境規準設定のための適正実施規範)を含む水産業の最優良事例に基づく海藻規準の策定を実現します。」

ASCの規準ディレクター、バス・ゲールツは次のようにコメントしています。「海藻の商業用生産による環境および社会への負荷を最小限に抑えるためには、責任ある取り組みが不可欠です。MSCと協働することによって、環境保全を促進し、海藻生産を糧とする地域社会を支援しつつ、すべてのステークホルダーに有益な意義ある規準を策定することができます」。

ASCMSCによる海藻規準に関する公開協議

海藻規準および認証プロセスの案については、本日より2016年4月30日までオンライン協議を実施いたします。関心のある方には是非ご覧頂き、専門的なご意見やフィードバックを頂ければ幸いです。

天然、養殖を問わず、規模や所在地に関係なく、規準に適合した生産者であれば認証を取得することができます。海藻生産者は、持続可能な資源量、環境負荷の最小限化、適正な管理、社会的責任、および地域との良好な関係と対話という5つの原則に則って審査されます。

将来にわたって海藻が供給できるよう資源を守る

海藻類は現在の私たちの生活には欠かせないものです。食用のみならず、化粧品、肥料としても広く利用され、歯磨き粉やフルーツゼリー用の乳化剤として加工されています。水界生態系においても重要な役割を担っており、魚貝類、海洋性無脊椎動物、および珊瑚を含む多種多様な生物に対し、餌やすみか、生息域を提供しています。

FAO(国連食糧農業機関)によると、世界における海草類の年間生産量は約2,500万トンに上り、世界の漁業・水産養殖の総生産量の15%以上を占めるまでになっています。その経済的価値は56.5億USドルと推定されています。天然の海藻の採取が大半を占めていますが、年々増加する需要を満たすために海藻の養殖も急速に拡大しています。

2016年から2017年にかけて行われるASC-MSC海藻規準の策定プロセスにぜひご協力ださい。科学者、水産業界、環境保護団体などのステークホルダーならびに一般の方々からのご意見をお待ちしています。

参加のご案内

  • MSCのウェブサイト(improvements.msc.org/database/seaweed-standard)から、各オンライン協議、公開ウェビナー(オンラインセミナー)、協議用のワークショップやミーティングにご参加いただけます。
  • [email protected]にメールを頂き、ご登録頂いた方には、規準策定の状況進捗をお知らせ致します。