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MSC奨学金研究プログラム受賞は東アフリカとケニアの研究に決定

海洋管理協議会(MSC)は、MSC奨学金研究プログラムの受賞者を発表しました。このプログラムは海洋環境改善、漁業管理改善、漁業の最優良事例、そして水産物製品のトレーサビリティとサプライチェーンマネジメントの分野における研究に、プロジェクト1件につき、上限4000英ポンドまで支給します。30ヵ国70人以上の応募者の中から、米国ワシントン大学所属のリリー・ヂャオ氏と、ケニアのプワニ大学所属のティモシー・ムニカナ・カカイ氏の、2人の研究が選ばれました。

本年度の受賞者

東アフリカの小規模漁業によるタコの貿易フローをマッピングするヂャオ氏のプロジェクトにおいて、米国ワシントン大学所属のリリー・ヂャオ氏とスウェーデンのストックホルム・レジリエンス・センターが、受賞しました。タコはこの地域の一般的な食糧であり、製品フローの観点から、国家間の輸出と相互依存については、ほとんど知られていません。このヂャオ氏の研究は、西インド洋全体におけるタコ漁業の持続可能性をマッピングするためのMSCの取り組みを補完するものです。

ケニアのプワニ大学所属のティモシー・ムニカナ・カカイ氏は、ケニアの伝統漁業におけるウミガメの混獲を減らすために、LEDライトをつけたネットを試用する予定です。ウミガメは、ケニアの600km沿岸に沿って行われる商業・伝統漁業の網にからまって捕獲されたりすることが多く、この地域のウミガメ5種にとっては依然として脅威となっています。多くの研究では、LED照明でイルミネーションを照らすことで、ウミガメの捕獲を40%60%削減できることが明らかになりました。この試行が成功すれば、このプロジェクトは海洋に影響を与える可能性が大きくなります。

MSC発展途上国プログラム責任者のオリュイェミシ・オロルントゥンイは次のように述べています。「今年の応募論文は、混獲削減のための新しいツール開発といったテーマのものから、魚やサンゴのコミュニティ構造への土地開発の影響の審査など、質の高さに深い感銘を受けました。ケニアと東アフリカに研究資金を提供できるという事実は、世界で行われている海洋研究が幅広いという証です。この地域では持続可能な漁業が、海洋の健全化だけでなく、食料安全保障と貧困削減にいたるまで重要な役割を果たしています。」

MSC奨学金研究プログラムは、今年度で7年目を迎えます。2016年に受賞した研究は、違法漁業に対抗するメキシコ協同組合を調査するプロジェクト、インドネシアにおける海藻養殖の社会経済的影響の調査プロジェクト、マグロ個体群を遺伝子配列決定で監視するプロジェクトでした。2018年度のMSC奨学金プログラムにご興味をお持ちの方は、まで登録のためのメールをお送りください。