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MSC消費者調査結果を発表:持続可能な水産物への需要は増加傾向に

  • 持続可能な漁業による水産物の需要が世界的に増加
  • 持続可能な漁業のトレーサビリティへの消費者の高い関心は変わらず
  • 消費者に対して持続可能な製品をアピールするには、エコラベルが最も効果的
  • MSCエコラベルの認知度は平均33%で、前回調査を行った2010年の25%から8%上昇

2014年11月11日(ロンドン) ―外部の 独立調査機関が、世界各国の消費者に対して行った最新の水産物購買行動調査によると、持続可能な漁業による水産物を求める消費者が増々増加してきており、持続可能な製品の証としてのエコラベルに信頼が集まっていることが明らかになりました。

この調査はMSCの依頼により実施されたもので、持続可能な水産物の消費に関する調査としては世界最大規模と見られています。調査は、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアなどの南太平洋地域および北アメリカの計15カ国において、定期的に水産物を購入する9,000人超の消費者を対象に行われました。2010年と2012年にも同様の調査が実施されており、調査結果は、水産業界、小売業者および消費者に持続可能な水産物を選択することを推進するためにMSCが行なっている活動を裏付ける形となっています。

持続可能な水産物への需要増大

回答者のほとんど(90%)は海洋環境の持続可能性を重要と考え、55%の人が一年前に比べて水産資源の減少への懸念が高まったと答えています。そして60%もの人が、持続可能な漁業由来の水産物を買うことが、これからの世代のために水産資源を確保することにつながると答えています。

健全な海洋環境に対する懸念は、水産物購入の際の意志決定に影響を与えており、5人に2人(41%)は持続可能な漁業由来の製品を積極的に求めて購入すると答え、2010年の調査時の36%よりも5%上回りました。

水産物の持続可能性を確保する上で、スーパーマーケットとレストランは重要な役割を担っていると考えられます。3分の2に近い人々(65%)が、持続可能な漁業による水産物を確実に販売することがスーパーマーケットにとって大切であると答えています。スーパーマーケットに対して責任ある行動を求める消費者が最も多いのはフランス(78%)とオーストラリア(74%)でした。ほぼ同じ割合の人々(61%)が、レストランに対し、持続可能な水産物をオプションとしてメニューに載せるべきだとしています。

最近のMSCエコラベル表示製品の伸びからは、こうした需要に応えようとしている小売業界の動きが窺えます。2010年から2014年にかけて、世界で販売されているMSCエコラベル製品の数は5倍増加し、現在では25,000点以上の製品が店頭に並ぶようになりました。

エコラベルを使用するブランドの信頼

回答者の半数近く(46%)が、エコラベルを使用するブランドの方が、そうでないブランドよりも信頼できると答えました。環境および社会への責任を果たすための情報源として、友人や家族からの勧め(59%)に継いで最も信頼できるのが独立第三者の発行するエコラベルであり(57%)、続いて専門雑誌(53%)、政府の勧告(51%)という結果でした。ブランド自身による製品の保証への信頼度が最も低く、わずかに39%でした。

MSCエコラベルを認知できた回答者 たち(46%)の方が、できなかった回答者たち(33%)よりも、商業漁業の持続可能性について、改善されていると考える傾向にあると思われます。

MSCエコラベルの認知向上

MSCエコラベル表示製品が世界100カ国で販売されるようになった今、定期的に水産物を購入する人々の3分の1(33%)がMSCエコラベルを認知していることが明らかになりました。これは2010年の調査から8%の上昇です。認知の度合いはドイツが最も高く58%。続いてスイスが57%、そしてオランダが48%でした。ヨーロッパ以外の国々でも、MSCの青いエコラベルの認知度は大幅に上昇しました。オーストラリアでは、2010年に12%だった認知度が2014年には20%と一気に倍増しました。カナダでは、2012年に19%だった認知度が2014年には25%に上昇しました。

調査からは、MSC認証の持続可能な水産物市場が引き続き拡大することが推測され、回答者の3分の2(65%)は今後、より多くのMSCエコラベル表示製品を購入するつもりであり、友人や家族にもそうするように勧めると答えています。消費者向けMSCエコラベル表示製品の小売市場の価値は、2010年から145%増加し、2013年から2014年度にかけて48億米ドルに達しました。

価格とトレーサビリティが最優先

水産物購入を決定する際の最も大きな要因としては、価格が(79%)、続いてトレーサビリティ(66%)と持続可能性(61%)でした。とはいえ、エコラベル表示製品であれば少し高くても構わないと答える人たちも増えていおり、2010年には32%だったのが、39%に増えています。意思決定の要因として最も低かったのが電子マネーカード(22%)およびモバイル・アプリ(13%)によるおすすめでした。

最近のトレーサビリティに関する疑惑によって、ラベル表示への懸念が高まる中、トレーサビリティが確保できる製品への需要の伸びがイギリスにおいて特に顕著で、2012年に61%だった需要が2014年には67%に達しました。

MSCのグローバル・コマーシャル・ディレクター、ニコラス・ギシューは次のようにコメントしています。「持続可能な漁業から調達された水産物への需要は世界各国で拡大しています。漁業および小売業者、レストランが持続可能な漁業への取り組みを実証するにあたり、エコラベルがいかに効果的なツールであるかがこの調査で明らかになりました。世界各国で販売されているMSCラベル表示製品の数が25,000点を超える今、バイヤーと消費者が持続可能な漁業由来の水産物を入手できる機会も増えました。MSCエコラベル製品は、科学的根拠に基づくMSCの厳格な規準に則って独立認証機関が審査し、持続可能な認証漁業まで追跡調査が可能な製品だという確証を与えてくれるものです」。

現在、MSCエコラベルは、全世界で25,000を超える製品に表示されています。

-以上

この調査について

本調査では、オーストラリア、カナダ、デンマーク、フランス、フィンランド、ドイツ、日本、オランダ、ポーランド、シンガポール、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、アメリカの計15カ国の9,019人の水産物消費者から回答を得ました。調査会社amrが調査の企画、確認、分析を行い、各国のオンライン調査プロバイダーに調査の実施を依頼しました。調査は2014年3月19日から7月25日にかけて実施され、2010年と2012年にamrが行った同様の調査結果と比較しています。

回答者は以下の条件を満たす消費者に限定されました。

  • 自分もしくは家族のための食品を購入する主たる責任者である。
  • よく行く店舗で、少なくとも2ヶ月に一度は水産製品を購入している。
  • リストに挙げられた6店舗の中の少なくとも1店舗で買物のほとんどを済ませている。

各店舗につき同人数から回答が得られるように人数を割り当て、必要な場合には二カ国語で調査を行いました。自由回答の質問に対する回答については、解釈に間違いが起きないよう、ネイティブスピーカーがユニバーサル・コード・フレームに基づいてコード化しています。

調査の詳細、分析画像をご覧になりたい方は、Eメール:  [email protected]  または Fax: 03-5623-2846 までお問い合わせください。