プレスリリース

MSC、漁業認証審査に新たな要求事項を導入

1月 31, 2018

世界の漁業における改善をさらに推進するため、MSC(海洋管理協議会)は、1回の操業における対象魚種を獲るための漁業活動はすべて持続可能な漁業のための認証規準に則ったものでなければならない、という新たな要求事項を設けます。

これは今週ロンドンで開かれたMSC評議員会において決定されたものです。決定に至るまでには、NGOや漁業、商業セクターなど、50を超えるステークホルダーとの綿密な公開協議を重ね、2017年12月にMSCの技術諮問委員会が検討を行いました。海洋科学およびサプライチェーンの専門家15人からなる技術諮問委員会は、科学および技術的な観点から課題を検討し、ステークホルダーとの協議から得た情報やフィードバックをまとめた後に、MSC評議員会に対して正式に提言を行いました。

MSC漁業認証規準は、NGOや政府機関、科学者を含む300 もの団体や個人との協議を経て、1997年より策定されてきました。認証審査を受けるにあたり、漁業側で審査単位Unit of Assessment (UoA)を定めることが可能で、これには対象魚種、管理区域、漁具および船団といった要素が含まれます。

UoAに関する現行の規定では、1回の操業で、認証を受けた漁具と漁法と、非認証の漁具と漁法とで、同じ魚種を獲ることが認められています。これに対する懸念の声に応えるために、MSCは2017年初頭にUoAの要求事項を見直すことにしました。新たな要求事項事項の下では、認証水産物としてMSC認証のサプライチェーンに流すことができるのは、出漁中における対象魚種に対する漁業活動がすべて認証範囲にある場合のみとなり、このような危惧がなくなります。

MSC科学・規準ディレクターのデイビッド・アグニュー博士は次のようにコメントしました。「MSCは建設的なステークホルダーの関与および対話を歓迎します。本協議に参加してくださり、持続可能性の向上とMSCプログラムの強化のためにご尽力いただいた多くの方々や団体の皆さまに感謝いたします。今回新たに決まった要求事項は、MSCの堅固で客観的、かつ透明性に優れたプロセスにより策定され、採択されました。MSCを価値あるものにするためには、第三者による精緻な審査およびステークホルダーの関与をその核に据え、刻々と進化する水産科学と管理に対応していく決意がなくてはなりません。真摯な対応を進めることにより、世界有数の認証規準としての機能を維持することができるのです。」

現行および新たな要求事項によって変革を推進

MSCは、既に認証を取得している漁業に対し、他の漁具や資源、海域をも審査対象に加えるインセンティブとなっています。例えば、スコットランドで白身魚漁を営む船団は2011年にハドックを対象としたMSC認証を取得しましたが、それによる恩恵を踏まえて、2年後に新たにシロイトダラでもMSC認証を取得し、昨年は持続可能な漁業の象徴ともいうべき北海マダラをも認証魚種に加えました。持続可能な漁業であることを実証するインセンティブとなるこうしたメカニズムをMSCでは「変革の理論」と呼んでいます。MSCは今後も「変革の理論」を推進するためにさらなる研究を重ね、審査単位(UoA)に対する新たな要求事項の効果について継続的にモニタリングをしてまいります。

MSC CEOのルパート・ハウズは次のように述べています。「MSCはパートナー主導の取り組みによって、漁業と海洋管理における改善を積極的に図っております。MSCの設立から20年が経過した現在、認証漁業は世界の総漁獲量の12%を占めるまでになりました。漁獲方策の改善から、対象魚種以外の生物へのマイナス影響の軽減まで、MSC認証漁業は科学的根拠に則った方法により、持続可能な漁業管理を推進しています。MSCが掲げる『変革の理論』の効果は多くのエビデンスにより実証されています。今回の決定は、さらなるプログラムへの参加を促すことになるでしょう。認証漁業の持続可能性への取り組み、そして日々の改善努力により、世界の海洋資源と海洋生態系は確実に健全な状態へとシフトしています。」

MSCはFAO(国連食糧農業機関)の水産物のエコラベルのためのガイドライン、および責任ある漁業のための行動規範に基づいており、天然漁業認証プログラムとしては唯一ISEAL (国際社会環境認定表示連合)に完全に適合し、GSSI (世界水産物持続可能性イニシアチブ)の認定を受けています。MSCは、こうした高い評価のある規準策定基準を順守しています。審査単位(UoA)に関する新たな要求事項は、透明で信頼性のあるプロセスによって策定されたものです。

UoAに関する新たな要求事項は、2018年8月に発行される予定で、これによりさらなる漁業改善を推進し、MSCプログラムへの参加を促すことになるでしょう。

FAOのガイドラインに従って、2019年2月以降に初めて審査入りする漁業は、新たなUoA要求事項を順守しなければなりません。審査中および認証取得済みの漁業については、新しい要求事項に適合するまでに2018年8月から3年間の猶予が認められています。要求事項への適合審査は、MSCの第三者認証機関が実施します。

MSC科学・規準ディレクターのアグニュー博士は加えて次のようにコメントしています。「新規要求事項は2018年8月に発行されます。MSCプログラムに参加している漁業は、新しい規定による影響を理解し、定められた期限内に新規要求事項に適合するための準備をしなければなりません。漁業管理は複雑であり、MSC認証プロセスは厳格です。持続可能性に取り組む漁業に対して新規要求事項への理解を促し、適応、移行するための猶予を提供することは大変重要なことです。MSCの各地域担当チームは、プログラムに参加しているすべての漁業と協働し、新規要求事項の影響についてガイダンスを提供し、移行準備が必要な場合には支援を行ってまいります。」

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