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アイルランド海のニシン漁業、アイルランド海の持続可能な漁業として初めてMSC認証を取得

持続可能な北アイルランド遠洋漁業グループ(The Northern Ireland Pelagic Sustainability Group: NIPSG)のアイルランド海ニシン漁業が、持続可能で適切に管理されている漁業であるとして、アイルランド海で操業する漁船団で初めてMSC認証を取得しました。

持続可能な漁業

MSCの英国およびアイルランドの漁業アウトリーチマネージャー、クレア・ペスコッドは認証取得のニュースを受けて次のように述べました。「これは大変嬉しいニュースです。ニシンはMSCのプログラムにおける重要な魚種であり、4,000種類ものMSCニシン製品が世界各国の市場に出回っています。アイルランド海初のMSCニシン漁業の誕生は、持続可能な水産物に対する需要を満たすことにつながるため、認証取得に向けた努力を重ねてきた漁業者にとっても、バラエティーに富んだMSC製品を求める消費者にとっても喜ばしいことです」。

アイルランド海における大西洋ニシン(Clupea harengus)の漁獲は中世の時代から行われてきました。このニシン漁業でNIPSGがっている漁船はVoyager、Stephanie MおよびHavilah という名の3隻の遠洋トロール船のみで、操業は主に夜間に行われます。いずれの漁船も長さが49メートル以上あり、超音波探知機や通信網、漁獲モニターなどの最先端技術を利用することで、太平洋ニシンだけを正確に獲ることができるため混獲はほとんどなく、海底ヘの接触もありません。

英国から北アイランドにかけて操業を行う漁業

この漁業の操業は季節限定で行われており、今年は8月中旬より開始予定です。年間水揚げ量は5,200トン余りで、主な市場はドイツとポーランドですが、一部はキッパーとして英国で薫製にされます。

NIPSGは英国-北アイルランド漁業生産組合(ANIFPO)と北アイルランド漁業生産組合(NIFPO)に所属する遠洋漁業をはじめ、C&O Milligan、S&P Milligan および Kilkeel Kippering Companyといった北アイルランドの主要遠洋水産加工業者を取りまとめている団体です。

ANIFPOのCEOで、NIPSG事務局長を兼務するアラン・マカラー氏(大英帝国勲章受章)は次のように述べました。「今回、認証を取得できたことを大変嬉しく思っています。これによりアイルランド海ニシンの既存の市場を確立すると共に、新たな市場を開拓するチャンスを得ることができます。持続可能な漁業のために多くの犠牲をはらって努力を続けているアイルランド海のすべての漁業者の士気を高めることになる筈です。欧州漁業基金(EEF)を通じて資金援助をして下さった北アイルランド農業地方開発局(Department of Agriculture and Rural Development)をはじめ、認証プロセスに関わってこられたすべての方達のご支援の賜物です」。

認証について

持続可能で適切に管理されている漁業の証しであるMSC認証を取得するためには、MSCの持続可能な漁業のための環境規準に則った独立第三者による審査を受けなければなりません。審査は3名の漁業科学の専門家によって行われ、審査結果は更に2名の専門家によるピアレビューを受けます。NIPSGの認証審査は独立認証機関であるフード・サーティフィケーション・インターナショナル(Food Certification International)によって行われ、認証取得までに16ヶ月を要しました。