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アラスカのサケ漁業が持続可能な漁業として再認証

ロンドン―年間1億6千万尾を超える漁獲量のアラスカのサケ漁業が、海洋管理協議会の 持続可能な漁業のための環境基準[1]による再認証を取得した。これにより、アラスカの サケ漁業による製品には、今後も世界中でMSCのブルーのエコラベルが使用できることに なった。これは、よく管理された漁業によるサケの購入を望む、環境意識の高い消費者に とって朗報である。この漁業が最初に認証を受けたのは2000年で、MSC認証を取得る
米国初の漁業であった[2]。
 
この漁業は、SCS(Scientific Certification Systems)[3]による、科学に基づいた綿密 な再認証を完了し、独立の専門家が技術情報、管理方針、利害関係者からのインプットを 見直し、キングサーモン、ベニサケ、ギンザケ、カラフトマス、アキサケを対象とするア ラスカの商用漁業が、持続可能でよく管理されたものであることを確認した。
 
この認証では16にわたるユニットを検証したが、それはこの漁業の複雑さ、地理的な広 がり、および流し刺網、巻き網、流し釣り、捕魚車といった、多岐にわたる漁法や漁具が 反映された結果である。2006年、この漁業は2億7千6百万ドルを売り上げ、287,000メー トルトンを陸揚げし、11,300 の商業許可を得た。アラスカ州法ではサケ漁船の大きさを、 巾着網漁船で58フィートまで、流し網漁船で32フィートまでと定めている。そのためこ の漁業を指して、多数の小型漁船操業者からなる大規模漁業と言うことがある。この審査 では、アラスカ州漁業狩猟局が代表となった[4]。
 
MSCの最高責任者、ルパート・ハウズはこのニュースを歓迎し、以下のように述べた:
    「この再認証が無事に終了したことをたいへん喜んでおります。今年、ブリスト ル湾からユーコン川河口近くのエモナックにかけて、この漁業を    見てきましたが、 これが特別で象徴的な漁業であることは間違いありません。MSCは、この認証に関 わったすべての方々、特に、途中の困難に    屈することなく完遂を果たしたADF&G (アラスカ州漁業狩猟局)とアラスカのサケ漁業者の皆さんに、お祝い申し上げ ます。MSCは、すべての    再認証から教訓を得た上で、持続可能性の基準の厳格さを 保ちつつ、より効率的で期限を定めたプロセスを推進すべく、2008年のプロセス 改善    実施に努めます。最も重要なのは、独立の認証によるラベルの付いた持続可 能な水産物に対する、世界的な需要の高まりです。MSC認証を受け        た他のどの魚種 よりもラベル製品の多いアラスカのサケ漁業は、この波に乗っており、今回の再 認証によって、さらに多くの市場機会がこの漁    業にもたらされることは疑いあり ません。」
 
商業的に見ると、この漁業は北米、ヨーロッパ、アジアの各地で、広くMSCラベルを使用 することによって利益を得ている:

  • アラスカのサケは商業的バイヤーからの需要が最も高く、また最も用途の多い製 品である――現在、燻製、鮮魚、冷凍、缶詰、魚卵、調理済み食品など、360の MSCラベル付きサケ製品が販売されている。
  • · アラスカのサケは、MSCの認証を受けた漁業では最も広く流通している――MSCラ ベル付きのサケは世界21ヶ国で販売されている。
  • · 米国で最初にMSCの取り組みに参画した、持続可能性における開拓者であり、ほ とんどの従業員は直接雇用されている。

 
アラスカ州漁業狩猟局副局長、David Bedford氏談:「我々のサケの資源が、長期の持続 的産出に耐えるよう、しっかり管理されていることは、アラスカ州民の誇りであり、その 成果が海洋管理協議会に認められたのは喜ばしいことです。再認証のプロセスは長く、と きに困難ではありましたが、この承認によって、アラスカの天然および持続可能な商業用 サケ漁業に利益がもたらされるものと思います。MSCとともにプロセスを改善し、世界で アラスカのサケの評判が高まるようにしていきたいと考えています。」
 
以上

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編集の方への注釈:

 
[1] 海洋管理協議会(MSC)は、魚の乱獲問題に対する解決策を推進すべく、1997年に設 立された国際非営利組織です。MSCは、世界で最も普及している天然漁獲物のための独立 したエコラベルを運営しています。それは、国連食糧農業機関の漁業認証ガイドラインと、 ISEAL社会環境基準設定に関する適正実施基準の、両方に準拠した唯一の水産物エコラベ ルです。合計で、およそ70の漁業がMSCの取り組みに携わっており、23が認証済み、30 が審査中、さらに20から30が非公開予備審査を受けています。これらの漁業を合わせた 水産物の年間漁獲量は4百万トンを超えます。これは、世界の天然サケ漁獲量の42パー セント、世界の主要な白身魚漁獲量の40パーセント、世界の食用イセエビ漁獲量の18パ ーセントに当たります。世界中で、認証取得漁業によるおよそ950の水産製品に、ブルー のMSCエコラベルが表示されています。詳細については、www.msc.org.をご覧ください。
 
[2] 認証登録証は、SCSにより発行され、5年間有効ですが、査察を受けることになりま す。
 
[3] SCSは、認証、監査、検査などの業務、および基準を提供する、主要な第三者機関で す。その目標は、食品の安全と品質、環境保護、民間および公共部門の社会的責任におけ る最高水準を見極め、持続可能な開発における継続的改善を喚起することにあります。 SCSは2000年に、MSCの漁業認証およびCOC認証を請け負うことを認定されました。

[4] この漁業は、漁業委員会(BOF)が定めた管理区域内で操業し、アラスカ州漁業狩猟 局(ADFG)のスタッフが管理しています。アラスカ州憲法では、サケの生息域の保全と保 護が義務付けられています。今日、健全なサケ漁業が行なわれているのは、効果的な管理 によるとともに、この憲法の規定があったためです。1959年、州全体のサケの水揚げは 年間約2千5百万尾でした。40年後の1999年には、アラスカの商業用サケ漁獲量は2億 1千4百万尾で、州の歴史上2番目の記録となりました。規定では、漁期と禁漁期の確 立;漁獲枠、バッグリミット、漁獲限度量、雌雄およびサイズリミットの設定;魚の追跡、 捕獲、輸送に用いる方法と手段の確立;漁場と生息域の改善、魚の管理、保全、保護、利 用、処分、繁殖と資源確保;商業目的、スポーツフィッシング、ガイド付きスポーツフィ ッシング、自給自足、および私用のための釣りの規制、などが漁業の保全、発展、活用の ための必要事項として定められています。