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アラスカのスケトウダラ漁業が再認証を取得

アメリカ最大規模の漁業で、持続可能な認証を取得した漁業としては世界最大規模であるアラスカのスケトウダラ漁業が再び海洋管理協議会(MSC)漁業規準の認証取得に成功しました。科学に基づいたMSC規準は、天然水産物のための持続可能な環境規準として世界で最も信頼され、認知されている規準です。2005年以降、ベーリング海、アリューシャン列島そしてアラスカ湾 のスケトウダラ漁業がこの認証を取得しています。

アメリカにおけるアラスカ産スケトウダラの一人当たりの消費量は上位5位に入るほどで、そのマイルドな味と柔らかな食感が世界でも人気となっています。アラスカのスケトウダラの主な市場はアメリカ、ヨーロッパ(ドイツでは消費量が最も多い魚)、そして日本です。アメリカとヨーロッパ市場は主としてフィッシュアンドチップス、フィッシュタコス、フィッシュサンドやフィッシュスティックなどのフィレータイプの製品の市場となっています。一方、日本はアラスカスケトウダラのすり身の主な市場であり、かまぼこをはじめとする多様なすり身製品の主原料となっています。

アラスカのスケトウダラ漁業再認証の漁業クライアント、アットシー・加工業者協会(At-sea Processors Association)のジム・ギルモア氏は次のようにコメントしました。「3度にわたりMSCの厳格な持続可能性規準を満たすことに成功した世界の10の漁業のうちのひとつになれたことを誇りに思います。アラスカスケトウダラはMSCプログラムの漁業の中でも最も高い得点を挙げ続けています。今回の再認証取得は、責任ある漁業におけるアラスカスケトウダラ産業の継続的リーダーシップを再確認するものです」。

2016年のスケトウダラの漁期は1月20日から始まります。政府諮問機関である北太平洋漁業管理委員会は合衆国商務長官に対し、ベーリング海、アリューシャン列島の漁獲割当量を年間134万トンとすることを提言しました。これは政府の水産科学者が持続可能な漁業のために設定した量を数十万トンも下回る数字です。アラスカ湾のスケトウダラ漁業の漁獲割当量は257,872トンで、2015年の割当量から30%増加していますが、これも政府の水産科学者が安全な漁獲レベルとする範囲内にあります。

アラスカスケトウダラの販売事業者団体、純アラスカスケトウダラ生産者団体(Genuine Alaska Pollock Producers)のパット・シャナハン氏は次のように述べました。「この漁業は保守的な管理システムで良く知られています。ですからその保守的な漁業の漁獲割当量が増えたということは、ベーリング海とアラスカ湾のスケトウダラ資源が非常に健全であることを示しているのです。水産物バイヤーや消費者は、アラスカのスケトウダラ漁業が世界最大規模の最も持続可能な漁業なのだと、安心して購入することができるのです」。

国際的に認知されているMSCエコラベルは、アラスカ産スケトウダラの製品が元の漁業まで確実にたどれることを保証するものです。

MSCアメリカ地域ディレクター、ブライアン・パーキンスは次のように述べました。「将来の世代のために生命に溢れる海、これがMSCのビジョンです。アラスカ産スケトウダラは、この10年で、特にアメリカとヨーロッパにおいて、市場の開拓とその維持に成功を収めてきました。MSCとしましても今回の再認証取得を大変喜んでおります」。

アラスカスケトウダラ漁業の審査は、認定第三者認証機関であるMRAG Americasによって行われました。MRAG Americasは、水産科学と政策の専門家から成るチームを構成し、MSC漁業規準の3つの原則―漁業資源の状態、漁業の海洋環境に及ぼす影響、そして漁業の管理状況に基づいて審査を行いました。MSCのプロセスはステークホルダーに開かれたプロセスであり、全ての結果についてピア・レビュー(査読)が実施されます。