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オランダの底魚漁船団が2012 年までにMSC 認証取得を目指す

ハーグ―オランダ政府、オランダの水産業界、およびNGO が、ほぼすべてのオランダ漁業による海洋管理協議会(MSC)の認証取得を目指すという、画期的な取り組みを始めた。この革新的な計画が成功すれば、ほぼすべてのオランダ北海漁業が2012 年までに認証取得することになる。それには、オランダ所有の国外企業による、シタビラメのEU 漁獲量割当(TAC)の74%と、カレイの割当の37%に加え北海のカレイ割当の20%が含まれる。オランダのカレイ陸揚げ高の大半は、イタリア、英国、ドイツに輸出されている。

オランダ漁船団の大きく5 つの漁業から成り、今回の合意には、審査予定と認証取得(成功の場合)の期限が盛り込まれている。

  • 2009 年までに、小エビ漁業(既に審査中)と北海のシタビラメ刺し網漁業
  • 2010 年までに、アカザエビとカレイのツインリグ漁業
  • 2011 年までに、機船底曳網漁業とフライシューティング漁業
  • 2012 年までに、カレイとヒラメの北海ビームトロール網漁業

これらの漁業だけで、オランダのせりにおける陸揚げ高の90%を占めるが、この合意は、期限内に参加した他の漁業にも適用される。

オランダ農業自然食品品質大臣、Gerda Verburg 氏が、漁業局を代表してこの合意に署名した。大臣は次のように述べた。「水産業界、NGO、政府がこの覚書に名を連ねたことに深く感謝します。この覚書は、これらの漁業が持続可能であると社会に受け入れられる上で、大変貴重なものとなります。私は、この覚書における自らの役割を果たすよう、最善を尽くす所存です」。

MSC の最高責任者、ルパート・ハウズは、認証取得へのこの戦略的手法を歓迎して述べた:「この歴史的合意を迎えられることを嬉しく思います。これは、互いに協力して有効な解決策を得るという、実利的なオランダの手法を如実に示す例です。この合意では、漁業、加工業者、政府、NGO が協同し、現在、そして将来の世代のために、漁業を持続可能な状態に管理することに取り組んでいます。オランダ政府の支援により、この合意は業界全体からの支持を受けており、またこの合意には、審査プロセスの一部として必要となる研究に対する政府からの援助も含まれることになります。この合意が素晴らしい成果を生むとともに、その成果に触発されて他の国もこの先駆的な手法に倣うことを期待しています」。

環境NGO、North Sea Foundation のdeputy director、Ester Luiten 氏は、この覚書の目的に期待を寄せている。「北海の生態系における乱獲問題の解決を図る上で、これは大きな前進です。海洋管理協議会の認証基準によって、生態系と漁業の将来をともに守る完全かつ堅固な方法が得られるのです」。

生産者団体を代表し、Dutch Fish Board のBen Daalder 氏は、「敢えて申しますが、ビームトロール網を含めたオランダ漁業のMSC 認証取得は、将来の持続可能な底魚漁業にとって極めて貢献することでしょう」とコメントした。

オランダにおける存在を強めつつ、MSC はさらに、今年7 月1 日よりNathalie Steins 博士がオランダのカントリーマネージャーに就任することを発表している。Nathalie Steins 氏は、この合意の署名者の1つであるDutch Fish Product Board の漁業部門長として、この分野での豊富な経験を持っている。Nathalie Steins 氏のコメント:「一部の漁業にとっては厳しいプロセスとなることを踏まえたうえで、オランダの北海漁船団がこの課題に取り組んでいることは、素晴らしいことです。これは、オランダの小売部門におけるMSC に対するコミットメントと相まって、オランダおよび他の市場のMSC への適合に向けた、大きな一歩となります」。

以上