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オレゴン・アメリカイチョウガニ漁業 MSC認証取得

2010年12月2日(シアトル、ワシントン州)-アメリカ合衆国の西岸で操業する、オレゴン州の象徴的漁業であるアメリカイチョウガニ漁業(ダンジネスクラブ:Cancer magister)が、持続可能で適切に管理された漁業のためのMSC規準に照らし合わせた第三者認証機関による審査を経て、MSC認証を取得しました。今後、この漁業からの水産物にはMSCの青いラベルの表示が可能となります。

アメリカイチョウガニは、オレゴンの公式な‘州の甲殻類’であり、このカニは太平洋側沿岸では、1800年代後半から商業的に漁獲されています。この種は、中央カリフォルニアからアラスカ湾かけて生息しており、長い間、北西アメリカの伝統水産物となっています。アメリカイチョウガニはオレゴン州にとって、最も価値のある単一種漁業です。オレゴンでは、2009-2010年の漁期に、10,521トンの水揚げがあり、その水揚げ価格は4,480万ドルでした。しかしながら、アメリカイチョウガニの漁獲量には、周期的な変化があります。

この認証の申請は、オレゴン・アメリカイチョウガニ委員会によってなされ、オレゴンの海岸から10マイル内で主に操業する425の制限付き入漁許可保持者が含まれています。アメリカイチョウガニは、金属製のカゴを使用し、水深9m~146mで漁獲されます。オレゴンは現在世界でトップのアメリカイチョウガニ生産量を誇っています。アメリカイチョウガニ製品は、活け、鮮魚、丸茹冷凍、脚肉等があります。世界中に輸出されていますが、アメリカ国内が主要な市場です。

漁期は、12月から8月半ばまでで、漁獲の大半は、商業漁期の最初の8週間に水揚げされます。州により管理されるこの漁業は、カニのサイズと漁期が制限されており、規定サイズを超えるオスのカニだけが水揚げを許可されています。規定サイズに満たないオスとすべてのメスは、傷つくことなく海に戻されます。

MSC漁業審査の間に、漁業クライアントは、以下の項目を含めた改善策を、学術専門家と協力して設置しました。

  • メスの生息数の指標を作成するための、メスの産卵と生息数の関係を調査するための、実施中のモニタリングプラン
  • 標的基準点(target reference point)を推定するための、漁獲努力量とサイズ制限を評価する方法としての年齢構成別再生産量モデル
  • カリフォルニアの事例をオレゴンの状況に適合させた限界基準点(limit reference point)案

オレゴン・アメリカイチョウガニ委員会の役員であるニック・ファーマン氏は、次のように話しています。「MSCの審査を無事完了し、オレゴンや世界各国で、すでに、この重要な持続可能性の“称号”を取得している他の漁業に仲間入りできたことを大変うれしく思っています。私たちは、MSCのエコラベルが新たな市場での機会と、オレゴンのアメリカイチョウガニのMSC認証取得水産物としての認識と需要を作り出すことを予期しています。」

MSCアメリカ地域ディレクターのケリ―・コフリンは次のようにコメントしています。「オレゴン・アメリカイチョウガニ漁業は、環境的な持続可能性と漁業全体の健全性の保持・改善する努力をするという意味で漁業の手本だということを証明しました。彼らは、著しい改善をすでに完了しており、さらなる前進をMSC認証の一環として行うことを約束しています。我々は、この重要な漁業がMSCプログラムに参加してくれたことをうれしく思います。そして、消費者が美味であるだけでなく持続可能として認証されたこのアメリカイチョウガニを歓迎することを確信しています。」

今回の審査は、SCS (Scientific Certification Systems)により行われました。

以上

*団体名などの表記はご参考としてのものです