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オーストラリア北部エビ漁業が、MSCの認証審査へ

オーストラリア最大規模でありもっとも重要なエビ漁業である北部エビ漁業が、MSC認証の本審査を受けることになりました。

オーストラリア北部エビ漁業は、オーストラリア北部沿岸沖771,000平方キロにおよぶ漁場にて、バナナ種とタイガー種のエビをオッタートロールにて捕獲していますが、当漁業は最近、持続可能な漁業管理のグローバルモデルとして国連に認定されました。

今回のMSCの審査では、申請者である北部エビ漁業株式会社(NPF Industry Pty Ltd、仮訳。以下NPF)を代表とする52隻の漁船が対象となります。年間漁獲量はタイガー種が1,628トン、バナナ種が5,642トンで、およそ8千万オーストラリアドル(約70億円)の市場価値となります。これらはオーストラリア国内で販売されるほか、日本や中国などへも輸出されています。

この審査では、WWFアメリカおよびWWFオーストラリアがNPFの共同クライアントとなっており、審査プロセスにおいて技術的支援と経済的支援を行ないます。第三者認証機関であるMarine Resources Assessment Group (MRAG)が、MSCの持続可能で適切に管理された漁業のための原則と基準に照らして、オーストラリア北部エビ漁業の審査を行ないます。対象魚種の資源の持続可能性、その漁業が環境に与える影響、そして漁業の管理システムが審査されます。

認証取得に意欲的なNPF
NPFのCEO、アニー・ジャレット氏は、MSC認証を目指す今回の決定について、大変意欲的に述べています。

「私たちは、環境に対する業績、そしてオーストラリア北部エビ漁業の中で長年にわたって培ってきたエコシステムに基づいた管理に誇りを持っています。この漁業は、世界で初めて混穫に対する行動計画を立てた漁業であり、この行動計画は1997以来、ずっと更新されてきています。また、世界で最初に経済効率と環境持続可能性をその運営管理システムの中に完全に取り入れた主要漁業のひとつでもあります」

「この地域における資源の改善、混穫の減少、オーストラリア北部エビ漁業全体の持続可能性の改善のための研究支援などの重要な取り組みにおいて、NPFはそのパートナーやリーダーとなってきました。私たちの天然のエビは世界でも最も高品質なものであり、私たちは今後も環境に関する取り組みを継続していきます」。

WWF
WWFアメリカのメジャーバイヤーイニシアティブ漁業ディレクター、メレディス・ロプキ氏は次のように述べました。「エビはとても人気の水産物ですが、残念なことに、世界のエビ漁業の多くは、その管理が十分とは言えず、結果として、混穫率は高く、生息域を大きく劣化させています」
「その一方で、このオーストラリア北部エビ漁業は、持続可能な漁業管理にしっかりと取り組んでいる漁業です。私たちは、この漁業がMSC認証を取得することを期待しています。認証を取得することになれば、この漁業における責任ある取り組みは、市場での便益を得ることにつながり、それは、他のエビ漁業が同等の持続可能性へ向けた取り組みを行なうことへのインセンティブとなることでしょう。」

バナナ種、タイガー種のエビ漁業の世界初となる参加をMSCは歓迎
オーストラリア・ニュージーランドMSCマネージャー、パトリック・カレオはオーストラリア北部エビ漁業のMSC審査への参加を歓迎し、つぎのように述べました。「MSC審査プロセスに参加することによって、NFPはその持続可能性に対する真摯な取り組みを世界に示し、オーストラリアにおける天然エビを将来の世代のために保護するという重要な役割を果たすことになるのです」
「エビは、オーストラリアで大変人気が高く、よく食べられている水産物です。MSC認証の取得に成功すれば、オーストラリア北部エビ漁業は世界でも数少ないMSC認証取得エビ漁業となり、また、バナナ種とタイガー種のエビについては世界で初の認証取得となり、増え続ける持続可能な漁業による水産物を求める消費者の声に応えることができるのです。」「科学的に厳格で透明性あるMSCの審査を受けるというNPFの決定は称賛されるべきものと言えます。無事認証されることを期待しています。」

認証機関
この漁業の審査は、独立認証機関であるMRAGがMSC基準に則って行ないます。この漁業に関心をお持ちの関係者は、この審査のためにコメントおよび情報を、評価チームのリーダー、リチャード・バンクス氏(Richard Banks、Eメール[email protected])までお寄せください。