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カツオ漁業で世界初のMSC認証を土佐鰹水産グループが取得

日本の土佐鰹水産グループのカツオ一本釣り漁業が、海洋管理協議会(MSC)の持続可能で適切に管理された漁業のための認証を取得しました。12ヶ月に及ぶ厳格な審査の末、土佐鰹水産グループの漁業は、MSCエコラベルを付ける世界初のカツオ漁業となりました。

日本の遠洋一本釣り漁業は1950年代に始まり、現在の遠洋漁船は約50隻、うち25隻が漁獲を行っています。総漁獲高は約40,000から50,000トンで、その約10%にあたるおよそ4,000トンが、認証申請グループの漁船により獲られています。漁業は11月から5月まで南太平洋で行われていますが、9月から10月にかけて日本の北方および東方へ移動します。

中西部太平洋のカツオ資源は、生物学的限界値の範囲内にあると見られています。この漁業では、資源の生産性が維持され、他の海洋生物への影響が最小限に留まるように行なわれているものと確認されました。今回の認証の一環として、土佐鰹水産グループの一本釣り漁業は、世界と日本の漁業管理の枠組みをさらに改善し整備するための活動を推進あるいは支援することになります。

土佐鰹水産株式会社[1] 社長、明神宏幸氏の談話。「日本の漁師が古来より発達させてきた『鰹一本釣り漁法』が、真に持続可能な漁法であることが証明されたことを誇りに思います。また、ここに至るまでご尽力いただいた関係者の皆様に感謝いたします。この度のMSC認証取得によって、この伝統的な鰹一本釣り漁業が守られ、将来にわたり残っていくことを切に望むとともに、持続可能な漁業の重要性について消費者の認識が高まることを期待します。『鰹一本釣漁業』が再度光り輝く漁業となるよう、今後も努力していく所存です。」

MSC[2]の最高責任者、ルパート・ハウズ談。「土佐鰹水産グループの漁業によるこの重要な認証取得をお祝いいたします。この審査によって、カツオ・マグロ漁業が、環境的に責任ある持続可能な漁業のためのMSCの厳格で科学に基づいた基準による審査を受け、認証を取得できるということが明確になりました。信頼性の高い国際的に認められた持続可能な認証カツオ・マグロの供給に対するヨーロッパ、北米や日本のバイヤーの需要がまだまだ満たされていない状況から見て、この認証取得は、国内はもちろんのこと、国際的にも大きな注目を集めることでしょう。今回の認証が、世界の他のカツオ・マグロ類漁業が審査へ進む後押しとなることを願っています」。

MSC日本事務所の石井幸造プログラム・ディレクターは「持続可能な認証取得水産物の需要は急増していることから、このカツオ一本釣り漁業が恩恵を得られるものと確信しております。カツオは、日本人にとってなくてはならない魚であり、今回の認証が、持続可能な漁業の重要性に対する日本の消費者の認識向上につながることを期待しています。」と述べています。

以上

編集の方への注釈:

詳細につきましては、MSC日本事務所の石井幸造までお問い合わせください。TEL: 03-6861-7515もしくは070 6669 9014, email: [email protected].

[1] 土佐鰹水産株式会社の設立は1996年9月。一本釣りで漁獲されたカツオ(B1冷凍カツオ)のみを原料に藁焼きかつおたたきを製造しています(藁焼きタタキ製造法に関する特許取得)。2008年2月には静岡の新工場で原漁入庫から製品出荷までの一貫生産を開始しました。土佐鰹水産株式会社の詳細につきましては、 http://www.tosakatu.jp/ をご覧下さい。尚、土佐鰹水産株式会社では、11月6日(金)14時30分より同社静岡工場にて認証授与式の開催を予定しています。授与式の詳細については同社(TEL:054-646-8000)へお問い合わせください。

[2] 海洋管理協議会(MSC)は、過剰漁獲の問題に対する解決策を推進すべく設立された国際的な非営利組織です。MSCは、ISEAL(International Social and Environmental Accreditation and Labelling Alliance、国際社会環境認定表示連合)の社会環境基準設定のための適正実施規範、および国連食糧農業機関(FAO)の漁業認証ガイドラインの両方に準拠した天然魚漁獲漁業を対象とする唯一の認証・エコラベリング制度を運営しています。

FAOの「海面漁業からの魚類と水産物のエコラベリングのためのガイドライン (Guidelines for the Ecolabelling of Fish and Fishery Products from Marine Capture Fisheries」では、信頼できる漁業認証とエコラベリングの制度として以下が要求されています。

・    科学的根拠に基づく、客観的な第三者による漁業審査

・    利害関係者との協議と異議申し立ての手順が組み込まれた透明性の高いプロセス

・    対象魚種の持続可能性、生態系、管理システムに関する基準

MSCは、ロンドン、シアトル、東京、シドニー、ハーグ、エジンバラ、ベルリン、ケープタウン、そしてパリに事務所があります。

認証取得漁業が58、審査中の漁業が100以上、非公開の予備審査中の漁業が40~50あり、計150以上の漁業がMSCプログラムに携わっています。これらの漁業の年間漁獲総量は700万トン近くあり、これは、世界の食用向け漁獲量の12パーセントを超える量に相当します。認証を取得した漁業による漁獲量はおよそ400万トンにのぼり、世界の食用向け漁獲量の7パーセントを超えています。世界中で3,000を超える水産製品に、認証を取得した持続可能な漁業まで追跡ができることを保証するMSCの青いエコラベルが表示されています。

MSCは最初の漁業が認証審査に入ってから今年で10周年を迎えます。詳細については、www.msc.org/jpもしくはwww.msc.orgをご覧ください。