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ジャージーとノルマンディーのロブスター漁業がMSC認証取得

英仏にまたがるノルマンディーとジャージーのロブスター漁業が、持続可能で適切に管理された漁業のためのMSC認証を取得しました。20ヶ月に及ぶ独立審査の結果です。
 
国境をまたぐこの伝統的な漁業では、およそ130隻の小型漁船がカゴを用いてロブスターを捕獲しています。毎年合計で270~290トンの漁獲があります。このロブスター漁業には長い国際管理の歴史があり、グランビル湾は1839年に、史上初の国際漁業条約の対象となりました。最新の協定、すなわち2000年に締結されたグランビル湾条約では、漁師、科学者、管理者など、この漁業に携わる者すべてによる管理の枠組みが定められています。協定は、この漁業の持続可能性を確立するための多くの手段を導き出しました。最小漁獲サイズの規制、漁船免許数や1隻ごとのカゴの数に対する制限といった漁獲努力管理です。
 
ジャージー漁業者協会会長、ドン・トンプソン氏は次のように話しています。「甲殻類、その中でもロブスターとその管理は、何十年にもわたって強い関心が注がれている、ジャージーにとっての重要な優先課題でした。私たちの漁業協定、定期会議、および本漁業を共有するノルマンディー地域との良好な関係によって、このMSC認証取得は極めて重要な成果となり、またロブスター管理の方策に費やした共同努力の見事な証しとなりました。」

「この漁業は、今後も私たちの最重要漁業の1つであり、私たちの漁船団の将来は、ひとえにこの実証されたロブスター資源の持続可能性にかかっているのです」
 
バス=ノルマンディー漁業地域委員会(Lower Normandy Fisheries regional committee)の代表であるダニエル・ルフェヴル氏は次のように話しています。:「このロブスター漁業のMSC認証取得により、コンタンタン地域のロブスター漁師による過去30年間の努力が、国際的に認められたことになります。こうした努力は、消費者に認められないことが多く、その結果として、漁業が概して非持続可能な行為であるとの指摘を受ける場合もあるのです。今回の認証取得は、ジャージーの仲間との協同によって達成された、本漁業の持続可能な管理への褒賞と言えます。これにより私たちは、この魚種に対する自らの持続可能な操業を伝えることができるとともに、バス=ノルマンディーの漁業地域委員会が管理する他の漁業に対し、優れた模範を示すことになります。今回のことで私たちは、漁業専門機関Normandie Fraîcheur Merの技術サポートのもと、地域の他の魚種へのさらなるMSC認証取得プロジェクトに取り組む意欲を高めています」
 
MSCイギリス漁業認証担当マネージャー、クレア・ぺスコッド(Claire Pescod)は次のように付け加えています。「バス=ノルマンディーとジャージーのロブスター漁業の認証取得をお祝いできることは、まことに喜ばしい限りです。これはまさに、共有資源の共同管理における優れた例に違いありません。この漁業のMSC認証取得は、その管理に対する表彰であり、将来の継続的改善を確実にするものと言えます。グランビル湾のイセエビは、その品質の高さによって既に有名ですが、今後はその持続可能性によってもその名声を誇ることができるのです」
 

ヨーロッパのロブスターについて

ヨーロッパのロブスターは年間を通じて捕獲されますが、そのピークは夏です。ロブスター(Homarus gammarus)は夜間に捕食するため(主に小形の無脊椎動物を)、他の漁業による低価値の混獲種を少量餌として仕掛けたカゴで夜間捕獲されます。体長は1mを超えることもありますが、通常は25cmから50cmで、小さいほど柔らかいのが普通です。