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スペインのリア・デ・アロサ・ガリシアン共同組合のアサリとザルガイ漁業がMSC認証を取得

海洋管理協議会(MSC)は今日、リア・デ・アロサ・ガリシアン協同組合が、伝統的なアサリとザルガイの漁業でMSC認証を取得したことを発表しました。漁業の持続可能性の証である認証は、3種類のアサリ(学名:Venerupis decussataVenerupis corrugataVenerupis philippinarum)とザルガイ(Cerastoderma edule)漁業に対して与えられています。

今回の認証の取得は、同組合にとって節目となる重要な出来事で、専門的技術と海洋資源を尊重することに基づいた漁業者の方策が実りました。リア・デ・アロサの協同組合により漁獲されたアサリとザルガイは、今後、海のエコラベルを付けることができます。これにより、消費者と水産バイヤーに対し、持続可能なMSC認証漁業まで遡ることができると保証され、また持続可能な水産品を確実に選択するためのシンプルで信頼できる方法を提供します。

持続可能な漁業の認知向上に意欲的な400の会員

スペインのリア・デ・アロサ・ガリシア協同組合はボイロ(ラ・コルーニャ県アバンケイロ)を拠点とし、持続可能な漁業を行うための環境管理を担う400を超える会員を擁しています。自分達の持続可能な漁業とそのための管理の実践についての認知向上が動機となり、2009年にアメリカのリソース・レガシー・ファンドの援助を得てMSC認証取得のための審査に入りました。

伝統的な漁業の手法

リア・デ・アロサ・ガリシアン協同組合の年間漁獲高は約20トンで、小型船または沿岸で漁獲します。アサリの漁獲船は5メートル程度の小型船で、漁業者はヴァラ・ラルガと呼ばれる長柄の熊手を使用します。歯の部分は規定されたサイズより小さい貝は獲れないような隙間があります。漁獲中には、45分ごとに組合が水揚げ量を確認し、種類と大きさを区別します。

沿岸では、漁業者は定められた場所で、サチョと呼ばれる種類の熊手で漁獲を行います。この漁法においては、獲った貝を30分ごとに確認します。水揚げされた貝は沿岸で等級付けされ、小型のものには特に注意が払われます。この作業は技術チームと組合長またはその代理人により監督され、規定より小さな貝は海に戻されます。

また、同組合は、漁業の状態を改善するため、アサリの育成カゴにも投資しています。

漁獲されたアサリとザルガイは加工工場を含む組合の新しい施設で販売されます。これはこの地域、ひいてはスペイン国内でも主要な販売経路となっています。

リア・デ・アロサ協同組合のコメント

フアン・ディエステ協同組合長は、リア・デ・アロサ協同組合は、新たな活動の展開と機会の開拓を行い、成長市場の中でも突出した存在でいられるような方針を実施することで、ガルシアの水産業界のパイオニアになっていると説明しています。また、「MSCの持続可能な漁業のための環境基準に基づき、私達の規範が持続可能であることが証明され、私達の漁業生産活動は、世界の天然漁獲量の10%以上にあたるエコラベルの仲間入りを果たしました。アサリとザルガイ漁業としてはスペイン初の認証をガルシアにもたらすことになりました」としています。

低い環境への負荷

MSCのスペイン・ポルトガル・マネージャーのラウラ・ロドリゲスは以下のようにコメントしました。「リア・デ・アロサ協同組合は、スペインの小規模漁業のパイオニアであり、非常に厳格なやり方で大きな成功をおさめている漁業です。MSC認証のガルシアの水産物を選択できることは、持続可能な水産物の選択肢を求める企業や個人にとって朗報です。今回挑戦していただいた協同組合の会員の皆様には感謝申し上げます」。

世界が認める厳格な基準

天然で獲られた水産物に対するMSC認証の基準は、世界で最も広く認められ、受け入れられています。MSCのプログラムは厳格で科学的な基準に基づいており、国際的に認定された認証団体が行う、独立した第三者による審査です。リア・デ・アロサ協同組合に対してはビューロー・ベリタス・サーティフケーションが、1年以上に渡り、独立した、協働体制による厳しい審査を行いました。MSCの基準は、資源の持続可能性、漁業が生態系に与える影響、漁業の管理システム3つの原則に基づいています。

今回の審査では、資源量が十分にあり、適切に管理されており、生態系への影響も最小限であるということが明らかになりました。