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チリのヘイク漁業がMSCの本審査開始

Sociedad Nacional de Pesca のチリ産ヘイク (Merluccius gayi gayi)のトロール漁業が、独立した第三者認証機関による、MSCの本審査に入りました。MSCの持続可能な漁業の規格に沿って審査され、認証されればSociedad Nacional de Pesca が販売する製品には、持続可能で適切に管理された漁業によるものであることを示すMSCのエコラベル表示が可能になります。

本審査に入るチリ産のヘイクはチリの排他的経済水域内、FAOの87海区、管理エリアIVからXにかけての水域で操業される底魚トロール漁業です。底魚トロール漁業は、一般に深海底域より上部で網を曳くものとされています。予備審査とそれに続く本審査では、産業界、政府(Subpesca, Sernapesca)、漁業関係専門の研究所の代表から成る委員会が設置されましたが、その構成メンバーは以下の団体を含みます:

Instituto de Fomento Pesquero, IFOP  (漁業開発機構)

Instituto de Investigacion Pesquera, INPESCA  (漁業調査機関)

Universidad de Concepción, UDEC (Concepción大学)

Pontificia Universidad Católica de Valparaíso, PUCV (Valparaísoカトリック司教大学)

 本審査に入るこの団体の漁業は、15隻の船により操業されています。2010年には、この漁業に対するヘイクの年間漁獲可能量割当は55,000 トンでした。操業は8月半ばから9月半ばまで休漁する以外は通年操業されています。主な市場は欧州諸国、アメリカ及び南米で、特に冷凍フィレーが 良く取引されています。

 ソナぺスカ(Sonapesca)のマネージャーである、ヘクター・バシガルポ(Héctor Bacigalupo)氏は、以下のように述べています。

「MSCの認証は、ヘイク漁業に携わる企業に恩恵をもたらすものと期待しています。なぜなら、認証取得はチリ国民とステークホルダーに対して、魚種の保護のみならず、漁業に関係する他の生態系への影響も考えた上での漁獲量とその規制への努力により、我々が責任を持って、国家資源を管理していることを示すものだからです。認証申請者としての我々の優先課題は、長期的なビジネスモデルを支えるため、持続可能な漁業を可能にする効果的な管理方法を確立し、同時に沿岸地域の経済に雇用と収入をもたらすことです。

申請者団体の執行役を務める我々は、MSCの認証が非常に厳格であり、現時点における我々の評価と共に、改善していくべき点を確認するための指標だと認識しています。MSCの認証取得により、漁業のありかたを変えるための、ここ何年かにわたる我々の多大な努力が実を結んだと確認されるのを待ち望んでいます。

例えば以下のような取組みが、その努力の例として挙げられます:年間の漁獲割当の設定、産卵期にある資源保護のため休漁区の設定、漁船によるGPSの使用義務付け、監視員による操業監視、水揚げ検査、稚魚を逃がすための漁具改良、漁業者、企業による効果的な自主規制。これらは全て、未来の世代に恩恵をもたらす持続可能な漁業を確実にするものです。」

MSCアメリカの地域ディレクター、ケリー・コーフリンは次のように述べています。「Sociedad Nacional de Pesca のチリ産ヘイクのトロール漁業が、MSCの本審査に入ったという知らせは、持続可能な漁業と生態系の保護への彼らの取組みを示すものです。

世界の水産バイヤーと消費者は、漁業が保護されていることへの保証を求めています。

認証されれば市場への好影響が期待されますので、この本審査開始を嬉しく思っています。」

審査は独立した認証機関である、ムーディ・マリン・リミテッドにより行われます。この審査に対して何か情報提供を行いたい場合は、以下にご連絡いただけます。

Ian Scott [email protected].  審査期間は12カ月から18カ月と見込まれています。

以上