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デンマークの浮き魚漁業がMSC漁業認証取得

デンマーク漁業生産者協会(The Danish Fishermen's Producers' Organisation: DFPO)とデンマーク浮魚漁業者協会(The Danish Pelagic Producers Organisations: DPPO)の扱うイカナゴ(学名:Ammodytes spp) 、ノルウェーコダラ(学名:Trisopterus esmarkii)とヨーロピアンスプラット(学名:Sprattus sprattus)漁業がMSC漁業認証を取得しました。

MSC漁業規準は、持続可能な漁業における国際的な最良事例を反映しており、漁業操業に対する科学に基づいた審査とステークホルダーからの意見募集を義務付けています。

低栄養段階の魚種を対象としたこれらの漁業は、海洋生態系を維持する上で重要な役割を果たしており、これらは持続的に管理されなければなりません。MSC認証は、これらの漁業が将来にわたり、海洋生息域や生態系および水産資源を保護する方法で操業することを、証明しています。

MSCヨーロッパ地域ディレクターのカミエル・デリッヒは次のように述べています。
「この北海漁業への認証は、デンマークの漁業にとって画期的な出来事です。効果的な管理、研究、科学に投資することにより、デンマークの漁業は資源の持続可能性を確保し、水産物の供給と海洋環境の保護を確実なものにしています。魚種・魚油の原料となる魚種を対象としたこれらの漁業が認証されたことは、責任ある水産養殖を支援できる状態であることを意味します。」

2012年から2016年までのデンマークの平均漁獲量は、イカナゴが12.3万トン、ヨーロピアンスプラットが15.5万トン、ノルウェーコダラは26,000トンでした。デンマークでは、20の異なる系群を対象とした漁業がMSC認証を取得しており、その漁獲量は約58万トンで、同国の2016年度の天然水産物の総漁獲量の約88%に相当します。

持続可能な管理

MRAG Americasに属する第三者審査チームは、北海の、イカナゴ、ノルウェーコダラ、ヨーロピアンスプラットの3魚種の資源が、持続可能な管理の下にあるとしました。これらの小型魚種の資源は、餌や捕食者等の環境要因に応じて、大きく変動する可能性があります。したがって、これらの漁業には、より堅固な管理方策が導入され、資源が少なくなったときに、漁獲量を減らしたり漁獲を停止させたりするための明確な科学的助言が与えられています。また、この管理方策のもとでは、過剰漁獲を防ぐために資源量が高いときでも、漁獲が制限されています。この科学的助言により、過去10年間にわたり、漁獲量を大幅に削減する結果となりました。

さらに改善が可能であることを認識し、漁業は認証の条件として、いくつかの改善をする必要があります。DFPO とDPPOによって合意された行動計画により、これらの魚種のために明確な漁獲調整規則が定められ、さらなる漁業管理の向上が期待されます。

DPPOのCEOであるエスベン・スヴェルドロップ・ヤンセンは、次のようにコメントしています。
「今回取得したMSC認証は、我々の漁業協会が、科学者やデンマーク政府と協力したうえで、イカナゴ、ヨーロピアンスプラット、ノルウェーコダラ資源について、持続可能で適切な管理のための、努力と取組みを行った結果です。我々は13の魚種系群を対象として操業していますが、今回の認証によりDPPOの漁獲の95%がMSC認証のものとなりました。我々はこれからも、漁業、経営者、科学者の間のさらなる協力の強化を進め、水産資源の管理のためのより良い基盤を提供し、最終的に100%MSC認証の目標に達することに努めます。」

魚粉および魚油の生産

DFPOとDPPOによって魚獲されたイカナゴ、ノルウェーコダラとヨーロピアンスプラットは、ほとんどが魚粉と魚油に加工されています。世界のタンパク質需要に対応するために水産養殖の役割が高まる中、養殖魚の持続可能な飼料を見出すことが、ますます重要になってきています。これは、水産養殖管理協議会(ASC)の規準を満たした責任ある養殖場に供給するための、持続可能な原材料の需要が増加しているためです。今回の認証により、MSC認証を取得した魚粉・魚油の原料は約22%増加し、約16億トンになります。

DFPO持続可能マネージャーのジョナサン・ブロッコ・ヤコブセンは、は次のように説明しています。
「昨今の世界における養殖の急速な成長により、水産養殖の環境フットプリント(製品や企業活動が環境に与えている負荷を評価するための指標)が持続可能であることは重要になってきています。我々の大規模な漁業がMSC認証を取得することは、持続可能な養殖に貢献することになります。同時に、これは世界中の他の魚粉・魚油の原料を漁獲する漁業だけでなく、陸上で養殖飼料の原料を作る生産者に対しても、持続可能な飼料の高い水準を示すことになります。」