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トライマリンのカツオおよびキハダマグロ漁業がMSC認証を取得

自然のマグロ魚群を巻き網漁によって漁獲するトライマリン社(Tri Marine)の中西部太平洋カツオおよびキハダマグロ漁業がMSC認証を取得しました。
この功績によって、ナウル協定加盟国(PNA)のみならず、中西部太平洋(WCPO)の米国領海、南太平洋フォーラム漁業機関に加盟する複数の国の領海、そして公海で水揚げされるマグロ類もMSC認証の対象となりました。その結果として、米国市場でのMSC認証カツオおよびキハダマグロの供給拡大が見込まれます。トライマリンのマグロ漁の拠点および加工施設は米国領サモアにあるので、ここを介しての供給が特に増加することになるでしょう。
トライマリンは自社ブランドのオーシャンナチュラル(Ocean Natural)に加え、他のアメリカの水産ブランドに持続可能なカツオおよびキハダマグロを供給し、トライマリンの認証漁業を供給元とする製品には、MSCの青いエコラベルを表示することができるようになります。


環境に配慮した持続可能な漁業

トライマリンの環境方針ディレクターであるマシュー・オーウェンズ氏は、今回の快挙について次のように述べました。「自然のマグロ魚群を対象としたMSC認証製品の展開について先駆者となったことを大変誇りに思っています。市場原理に基づくインセンティブを高め、環境に対して責任ある漁業を推進することができると確信しています。トライマリンは、持続可能な漁業及び製品の拡大を弊社の持続可能性戦略の中核としています。今回の認証取得によって、持続可能性に向けた弊社の取り組みが認められるだけでなく、MSCの青いエコラベルを表示したマグロの供給増加にもつながります。」
独立第三者機関であるSCS Global Servicesの審査員および専門家チームがまとめた350ページに及ぶ認証報告書には、Tri Marineが健全な資源量を維持し、環境へのインパクトを最小限に抑え、そして適切な漁業管理を推進するためのMSCの要求事項に準拠している漁業であること、そして中西部太平洋(WCPO)のカツオおよびキハダマグロの資源量が健全なレベルにあり、今後もそのレベルを維持できる状態にあることがまとめられています。
トライマリンがMSCだけでなく法的規制および要求事項を確実に順守していることを確認するために、トライマリンの各認証漁船には常時オブザーバーが乗船しています。
今回のMSC認証は、混獲の少ない巻き網漁による自然の魚群を漁獲対象とした漁業に対してのみ適用されます。

MSC認証マグロ

MSCのグローバル漁業コーディネーター、ジム・ハンフリーズは次のように述べています。「トライマリンは、持続可能性に関する世界で最も厳格な科学的根拠に則った環境規準に適合する優秀なマグロ漁業の仲間入りを果すことができました。水産科学、管理、およびサプライチェーンへの投資なくして得ることのできなかった素晴らしい成果です。海洋環境および貴重なマグロ資源の保全に向けた大きな一歩となることでしょう。」
2015年度に水揚げされたMSC認証マグロは、総マグロ漁獲量の16%に相当する842,000トンでした。MSC認証マグロへの需要は、北米、ヨーロッパ、オーストラリアおよびニュージーランドで特に目立っています。

最優良事例への取り組み

SCS Global Servicesの独立審査チームは、トライマリン漁業がMSCの厳しい規準を満たした優れた漁業であることを認めた上で、認証に対し6つの条件を付けました。トライマリン漁業は、これらの条件を満たすために、サメへの影響に関するより詳細なデータの収集、スタッフ研修の実施、および資源管理の改善に向けた行動計画を策定しました。他のMSC認証マグロ漁業同様、明確な漁獲管理方策に関する要求事項も条件に含まれています。
MSCのハンフリーズは最後に次のように述べています。「将来にわたってマグロ資源を確保するためには国際的な協力が不可欠です。長期的な持続可能性を確実なものとするため、MSCは、地域漁業管理機関によるマグロ漁業の適切な管理のサポートを目的とした漁業、NGO、小売業者、外食産業間の協働を推進しています。」