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ニュージーランドのカツオ巻き網漁業が持続可能な漁業として認証を取得

ニュージーランドのタリー・グループ傘下にあるタリーのカツオ巻き網漁業がMSC認証を取得しました。これにより、ニュージーランドの商業漁業による天然水産物の水揚げ量の50%以上がMSC認証水産物となります。

MSC認証を取得したことによって、ニュージーランドのカツオ漁業がMSCの厳しい漁業認証規準を満たす持続可能な漁業であることが実証されました。持続可能な漁業のための厳格な規準として世界で最も信頼され、広く認知されているMSC漁業規準は、漁業資源が健全な状態にあり、海洋環境への影響を最小限に止め、適切に管理されている、という3つの原則に基づいています。

カツオ・マグロ類については、既にニュージーランドのマグロ管理協会のビンナガマグロ漁業がMSC認証を取得し、「海のエコラベル」をつけて出荷されているため、タリーのカツオ巻き網漁業は、ニュージーランドで2番目の認証カツオ・マグロ類漁業となります。

MSCオセアニア地域担当プログラム・ディレクターのアン・ガブリエルは次のようにコメントしています。「カツオ・マグロ類は世界的に重要な魚種であり、持続可能な認証カツオの供給を増やすことは、未来の世代のためにカツオ・マグロ類資源を維持していく重要なステップです。カツオ・マグロ類は高度回遊性魚であるため、その管理を行うのは容易ではありません。しかし、MSC漁業認証を取得したことによって、タリーおよびニュージーランド第一次産業省が適切なカツオ資源管理を行っていることが実証されたのです。」

また、タリーのアンディー・スミス氏は次のように述べました。「MSCのエコラベル製品に対する需要は高いため、タリーのカツオ漁業によるMSC認証の取得は、市場での競争力の強化につながるものです。しかし、それ以上に、持続可能な漁業であることを実証できたことをうれしく思います。これにより、未来の世代のために水産資源を健全な状態で確実に維持するという私たちの公約を、地元の漁業コミュニティ、ひいては社会全体に伝えることができました。」

ニュージーランドの巻き網漁業は1970年代から、ノースアイランドの東西海岸沖を中心に、一部サウスアイラインド沖でも操業を行ってきました。素群れ魚群を対象としており、カツオは漁獲量の98%以上を占めています。ニュージーランドの海域へのカツオの移動には、環境条件が様々な影響を与えており、漁獲量は年によって変動があります。ニュージーランドの排他的経済水域においては現在、FAD(人工集魚装置)を使った漁業は行われていません。

元の採点が認められる

18ヶ月にわたる認証審査は、認定された独立認証機関であるアコーラ・マリン(Acoura Marine)によって実施されましたが、中西部太平洋のカツオおよびキハダマグロ漁業のMSC認証を取得しているナウル協定加盟国(PNA)から、漁獲方策の効果については、より高い得点を与えるべきであるという異議申し立てがありました。それを受け、独立裁定人が採点結果を徹底的に分析しところ、複数のカツオ漁業の業績を調和させた認証機関の元々の採点が支持されました。

ニュージーランドで8番目のMSC認証漁業となったタリーのカツオ漁業は、現在、世界で311存在するMSC認証漁業の仲間入りを果すことができました。MSC認証漁業は世界の天然漁獲高の12%を占めるまでになりました。

認証取得を求める漁業は、MSC規準の3原則である漁業資源の健全な状態、海洋環境への影響、および適切な漁業管理に基づいて審査されます。審査は、認定された独立第三者認証機関によって行われます。

漁業は認証取得後も監察され、MSC規準を確実に満たしていることを見極めるために年次監査を受けることになります。認証は5年間有効で、認証の更新には、再認証審査を受ける必要があります。MSC認証漁業が2000年以降に実施した漁業および環境管理の改善措置は既に1,200を超えています。

認証を維持するため、タリーの漁業は管理機関と恊働しながら認証に付けられた3つの条件をクリアするための改善措置を実施しなければなりません。その条件の1つが、中西部太平洋まぐろ類委員会による明確な漁獲管理方策の策定および実施です。また、漁業に対しても、イトマキエイへの意図せぬ影響を軽減するための行動計画の実施が求められています。

持続可能なマグロ漁業についてもっと知りたい方はこちらをご覧ください。