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ニュージーランドのビンナガマグロ漁業がMSC認証を取得

ニュージーランドのマグロ管理協会(Tuna Management Association (以下TMA))により管理されるビンナガマグロ漁業が、MSC認証を取得しました。これにより、本漁業からの製品は、持続可能な漁業であることを表すMSCエコラベルをつけることができます。

MSC認証は、「MSCの持続可能で適切に管理された漁業のための原則と基準」に則った独立審査によるもので、対象魚種資源の持続性と漁業の環境への負荷および漁業の管理手法について厳格に審査されます。

ニュージーランドのビンナガマグロ漁業

ニュージーランドのビンナガマグロ漁業は、現在、中西部太平洋まぐろ類委員会(以下WCPFC))によって管理されています。この国際的な枠組みにおいて、ニュージーランドは、ニュージーランド海域の漁業管理に責務を有していますが、その管理は委員会の合意に合致している必要があります。このビンナガマグロ漁業に適用されるTAC(漁獲可能量)はありませんが、WCPFCにより定めされた保全と管理の基準によって、漁業海域に入ることのできる漁船の数が制限されています。

ニュージーランド水産省もまた、漁業が法的要求事項に従っているかどうかを確認するため、漁業セクターのモニタリングと調査を行っています。その方策は、漁業許可申請義務、漁獲量要件、VMS(船舶モニタリングシステム)義務、漁船および装備のマーキング義務、さらに漁業用具の規制などを含んでいます。今回の認証は、主に北島および南島の西部沿岸沖で操業するTMAの175隻に適用されます。これらの漁船は大体が小型船で、トロール(流し釣り)漁法により毎年3000トンのビンナガマグロを漁獲しています。

MSC認証によりニュージーランドの漁業の効果的な管理が認められました

MSC太平洋漁業マネージャーのビル・ホールデンは、認証取得をたたえながら、「この漁業へのMSC認証はこの漁船団が責任をもって漁業を行っていることと、ニュージーランド漁業省によって健全な管理が行われていることを示しています。

マグロは、世界でもっとも漁獲され、とりわけ、アジアの一部をはじめとする多くの人に食べられている水産物です。そのため、世界中のマグロ漁業の審査と持続性の確認の必要性があるのです。

TMAが、科学的に厳格で透明性のあるMSCの審査に臨み認証されたことは、すばらしいことです。ほかのマグロ漁業のMSC認証取得に向けて素晴らしい事例となりました。また、このMSC認証ビンナガマグロへの市場からの高い需要があるはずです」とホールデンは述べています。

TMAの副会長ドン・ソーダー・ローダー氏は、認証取得を喜びつつ、「ニュージーランドのビンナガマグロのトロール漁業がMSC認証を受けたことは、関係者にとってすばらしいニュースです。ニュージーランドが、EEZ内のすべての水産資源の管理を、あらゆる環境に配慮しながら持続的に管理していく決意と責任の継続を示しています。

関係者の異議申し立てにより認証のための条件が変更に

本認証には条件として、資源管理のための標的基準点と限界基準点の設定や、漁獲規制、また漁業の短期および長期目標の設定等が課せられました。

2011年3月に、漁業の審査プロセスに参加した関係者から、本漁業の最終認証決定に対して、異議申し立てが出されました。異議申し立て手続きの協議段階において、申し立てをした諸団体は、条件の達成度をより具体的にするための修正に同意し、異議申し立て手続きが完了しました。

「この審査プロセスは、関係者の高い関与のおかげで、よりよいものになりました。MSCはこの認証漁業への厳格な最終決定に重要な貢献を行ったこれらのすべての参加団体に感謝しています」とホールデンは述べました。