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バルト海初のヨーロピアンスプラット漁業がMSC漁業認証を取得

バルト海中部でヨーロピアンスプラット漁業を行うラトビア漁業者生産団体(LFPO)がMSC漁業認証を取得しました。バルト海で操業するヨーロピアンスプラット漁業としては初の認証取得です。 ヨーロピアンスプラットは、2016年に採択された複数年度にまたがるバルト海管理計画に含まれるいくつかの魚種のうちの1つです。

MSCスカンジナビア、バルト海担当プログラムディレクターのミンナ・イップスは次のように述べています。
「LFPOによるヨーロピアンスプラット漁業の認証取得は、バルト海域にとって非常に良い影響を与えるものです。これはEUの複数種を対象とした長期管理計画が実施されていることの有益さと、バルト海の漁業がMSCの厳格な規準を満たしえることを示しています。この審査の結果は、同じ資源を対象とする他の国や漁船団に対して、良い刺激を与える可能性があります。フィンランドのヨーロピアンスプラット漁業はすでに審査入りしていますが、その他の国々もこれに追随する可能性があります。」

持続可能な市場への扉を開く

新市場への拡大という展望は、LFPOがMSC認証取得を目指す決断をするうえで重要な要因でした。しかし、認証取得までの道のりには、いくつかの乗り越えるべき問題もありました。

lFPO評議団会長のイナリス・ボイツ氏は次のように述べています。
「MSC認証の利点を、すべての漁業者たちに理解してもらい、了承をとるまでには時間がかかりました。ヨーロピアンスプラット漁業がMSC認証を取得したことは、ラトビアの漁業者にこれまで閉ざされていた新市場への扉を開くでしょう。しかし、この認証は漁業者にとって新たな責任も課すことになります。私たちの組織は、漁獲と輸出の流れを監視し、データを収集しています。この認証は私たちに、今後多くの新しい利益ををもたらすと考えています。」

水産会社タイ・ユニオン・ヨーロッパ社CSR・持続可能性ディレクターのシルベイン・クペリエール氏は、このニュースを次のように歓迎しています。
「このニュースはサプライヤーたちに歓迎されています。ヨーロッパ市場において、タイ・ユニオン社は常にMSCエコラベル付きの追加製品を発売する機会を検討しています。当社の製品ラインナップに、バルト海で獲られたMSC認証のヨーロピアンスプラットを加えることは、非常に重要な出来事になるでしょう。」


漁業と審査について

今回認証されたLFPOの22隻の表層トロール漁船はラトビアの11の漁業会社により運営されています。この11社はラトビア国立漁業生産者団体(NFPO)にも所属しています。22隻の表層トロール漁船が2016年に水揚げしたヨーロピアンスプラットは16,437トンで、これはEUの割当量の約8%に相当します。

審査チームは、バルト海のヨーロピアンスプラットは、最優良事例の資源量分析の対象であり資源状態は良好であることを強調しています。ラトビアで水揚げされたヨーロピアンスプラットは、食用の塩漬けと油漬け製品に加工され、大部分はヨーロッパ諸国に輸出され、10-15%は国内市場向けとなります。漁業による混獲はほとんどなく、規制と遵守をもって適切に管理されています。