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フランスの漁業が初のMSC認証本審査へ

南ブルターニュの巾着網漁業者がMSCの本審査へ

2009年2月9日、南ブルターニュの巾着網漁業[1]が、海洋管理協議会(MSC)の持続可能でよく管理された漁業のための認証取得に向けた本審査に入りました。MSCの取り組みに携わるフランス初の漁業となります。

巾着網漁は、ブルターニュ人とバスク人の漁師によってビスケー湾で行われています。Association of Purse Seine Fishers in Brittany[2]会長、Didier Le Gloanec氏談:「私たちは、協同してMSCの認証取得を目指し、この漁業の進展を目指すことにしたのです。私たちはこの仕事に誇りを持っており、そ の価値を人々に改めて示したいのです。イワシには漁獲枠はありませんが、例えば私たちは、漁船の数や操業日数を減らすことによって資源管理を向上させると いう、ライセンス方式のシステムを設けています。巾着網漁業者たちは、製品の質を上げるための努力を長年にわたって重ねてきましたが、冷却海水タンクのお かげで、漁期の間、漁獲物を陸揚げするまで品質を保証できるようになりました。私たちはこうした意気込みを持って、MSC認証取得へと臨むのです」。

この漁業を行う巾着網漁船団では、ドアルヌネ、ギルヴィネック、コンカルノーの沿岸地方で登録された、長さ17メートルに満たない18隻の漁船が操業中です。

南ブルターニュで捕獲されるイワシの98%は、コンカルノー、サン・ゲノレ、ドアルヌネの港に陸揚げされ、委託または直売により、競り市場で販売さ れる。Didier Le Gloanec氏は、「この認証が、我々の製品に付加価値を与え、フランスだけでなく、海外にも新たな市場をもたらしてくれるものと期待しています」と述 べています。

MSCヨーロッパ地域ディレクター、Nicolas Guichoux談:「フランス初の漁業が本審査に入ったことを喜ぶとともに、無事にMSC認証を取得できることを願っています。私たちの10年にわたる 活動を通じて、MSCは世界中の漁業界から大きな信頼を得るようになりました。ヨーロッパをはじめ、アラスカからノルウェー、ニュージーランド、日本と、 この取り組みに加わる漁業の数は増加し続けております。Association of Purse Seine Fishers in Brittanyがフランスで初めてこのプロジェクトに加わったことは喜ばしい限りです。消費者を巻き込んだ形での漁業者諸氏の支援と参画は、世界の漁業 資源の減少を転換するための最良の選択となります」。

MSCフランスのコマーシャル・マネージャー、Edouard Le Barは加えて以下のように述べています。「イワシは、漁業の伝統とブルターニュの文化的遺産に深く根ざした存在です。フランスの消費者には、生や缶詰の イワシが好まれています。イワシは16世紀からブルターニュ沿岸で漁獲されており、この歴史的に重要な漁業が本審査に乗り出したことを、私たちはたいへん 喜んでおります。巾着網イワシ漁業が本審査に入る決定をしたことが契機となり、今年はフランスの他の漁業もMSCの取り組みに参加するようになるものと 思っております」。

南ブルターニュの巾着網漁業は、MSC基準の3つの原則に照らして審査されます。Bureau Veritas Certificationが科学の専門家によるチームを設け、漁業資源の審査、生態系への漁業の影響の測定、管理システムの検討に当たります。

MSCの基準は、第三者による審査により、漁業にその持続可能性を証明できるようにするものです。漁業は自発的に認証を求め、MSCはすべての漁業 に対し、その規模や形式、漁区に関わりなく、極力公正かつ平等に対応します。MSC基準による審査は、その漁業の関係者や組織に開かれた透明なプロセスで す。

以上

編集の方への注釈

[1] 巾着網は、大きな「スライド式」漁網で、ブルターニュでは20世紀初頭から用いられています。船で引かれる巾着網は、通常数百メートルの長さがあり、魚群 が探知され次第、魚群を取り囲むために使用されます。巾着網の裾には多数の金環が取り付けられています。そのすべてに1本の綱が通してあり、綱を引くと、 金環が互いに引き絞られて、網が「巾着」のようになり、魚が下から逃げるのを防ぎます。網はその後少しずつ船まで引き寄せられ、生け捕りにされた魚は salabardesと呼ばれるランディングネットで船に移されます。

[2] Association of Purse Seine Fishers in Brittanyは、2005年に設立され、南ブルターニュの巾着網漁業者のグループを代表しています。グループが有する18隻の漁船は現在、年間約 15,000トンのイワシを捕獲します。
この協会は3つの項目をその目標として掲げています。
- 巾着網漁を1つの漁法として推進すること
- その水産物製品に付加価値を与えること
- この形式の漁具を用いる組織に対し、巾着網漁業を代表すること

この協会の詳細については、Didier Le Gloanec宛、+33 6 21 93 57 56またはEメール・[email protected]にてお問い合わせください。