2008年7月22日－カナダ ブリティッシュ・コロンビア州ビクトリア。ロンドンに本部を置くMSC（海洋管理協議会）のエコ認証を、ブリティッシュ・コロンビア州の商用漁業が取得するために、州政府が10万ドルの資金投入で支援することになったと、環境大臣Barry Penner氏が本日づけで発表した。
MSC認証は、国際的に認められた基準に照らして漁業の持続可能性を審査するものである。ブリティッシュ・コロンビア州の水産物は、世界80カ国以上の国に輸出されており、アメリカ、EU、日本の大手小売業者や水産物加工業者は、ますますMSC認証を要求するようになってきている。
Penner氏は次のように述べた。
「ブリティッシュ・コロンビア州は、漁業の持続可能性をまもる世界的潮流の中でリーダーとなりつつある。我々の産業が自由競争市場において成功するためには、信頼できるエコラベルが、ますます重要であり、政府によるブリティッシュ・コロンビア州の水産物PR戦略の重要な部分です。」
漁業の持続可能性を策定するMSC認証 を取得することは、厳密かつ徹底した手続きを踏むことを意味し、この手続きにはさまざま組織や利害関係者が関わることになる。今回の資金提供により、ブリティッシュ・コロンビア州の漁業は、複数の漁業に関わることになる手続きの運営に関して、技術および管理の面での支援を得ることになる。最多でブリティッシュ・コロンビア州の15の漁場が、来年中にこの手続きに入ることが予想されている。
水産業界とブリティッシュ・コロンビア州政府にとって、MSC認証の取得は優先事項となっており、今後２，３年以内に、この地域の主な漁業のすべてが持続可能と認証されるか、もしくは本審査に入ることが期待されている。
MSCの最高責任者 ルパート・ハウズは次のように語った
「ブリティッシュ・コロンビア州の豊富な水産資源の持続可能性を確実なものにしようという今回の取り組みを大変喜ばしく思っております。そして、カナダの政府と漁業が、水産資源の持続可能性において、リーダーシップを発揮しながらこの道を選んだ先見性を高く評価します。MSCは、ブリティッシュ・コロンビア州の漁業の持続性を査定するために国際的に認められた認証システムを提供します。MSCは、世界の消費者に対して、環境のための最良の選択が行える方法を提供し、消費者は製品を選択することにより持続可能な漁業を支援できるようになるのです。」
カナダの漁業は、MSCとともにブリティッシュ・コロンビア州海域における漁業の持続可能性の、独立した第三者による審査に取り組んでいる。MSC認証のプロセスと原則は、国連食糧農業機関の「水産物エコラベルのガイドライン」や
「責任ある漁業の行動基準」に完全に準じたものであり、MSCは、漁業のエコ認証分野で最高の国際基準となっている
ブリティッシュ・コロンビア州には、現在、紅鮭、からふとます、白鮭、オヒョウ、ヘイク、サメを含む、MSC認証本審査の段階にある6つの漁業がある。また、これらの漁業とは別に、認証過程の初期段階にある7つの漁業がある。MSC認証は、これらの漁場が持続可能な手法で運営されていることを証明するもので、この認証を得た漁業による水産物は、ブルーのMSCエコラベルを冠することができるようになる。ブリティッシュ・コロンビア州におけるMSC認証に関する最初の決定は、2008年の秋初頭となる見通しである。
主な漁業団体からなる漁業協会である BC Seafood Allianceのエグゼクティブ・ディレクター、Christina Burridgeは次のように話している
「漁業者たちは、今回の州政府による支援を大変高く評価している。MSC認証によって、ブリティッシュ・コロンビア州の人々が安心して地元の水産物を購入するようになり、わが国の漁師たちは、水産物を世界各国に向けて誇りをもって輸出することになるでしょう。」
Penner氏はまた、今回、重要な貢献をした他の組織にも言及した。バンクーバー水族館のオーシャンワイズ・プログラムは 、レストランおよび食品産業に対し、持続可能な漁業から調達した水産物を使用することを奨励しており、このプログラムは北米全体に普及している。グループの共同体が率いるSeaChoiceは、消費者に賢明な選択をするよう働き掛けるプログラムである。このプログラムに参画している企業には以下が含まれている。
David Suzuki Foundation
Living Oceans Society
Canadian Parks and Wilderness Society
Sierra Club of Canada (BC Chapter)