Skip to main content

MSCの最新ニュースをご紹介するプレスリリースです。

MSCジャパンのプレスリリースをメールで受け取りたい方は、 こちらの登録フォームよりお手続きください。

刺し網ニシン漁業初のMSC認証取得-カナダ

カナダ・ノバスコシア湾ニシン連合とその会員協会が海洋管理協議会(MSC)の持続可能な漁業のための認証を取得しました。カナダ南部のセントローレンス湾のこの漁業によるタイセイヨウニシンには、持続可能で良く管理された漁業による水産物であることを示すMSCの青いエコラベルを表示することができます。刺し網によるニシン漁業としては初めてのMSC認証を取得した漁業となります。

協会の会長で、ニシン漁業者であるグレッグ・エギルソン氏は、「この重要な漁業が独立した審査を受け、適切に管理された持続可能な漁業として認証を取得できたことを大変喜んでいます」と述べ、また「このタイプの漁具を使うニシン漁業として世界で初めてMSC認証を取得できたことは、大きな偉業であり、協会が長年にわたって支持してきた環境保全対策が認められたということです。MSCの規準は水産物サプライチェーンと消費者の間で広く認められている規準です。カナダの加工業者はニシン製品が求められる新しい市場に更に進出できるようになることでしょう。審査に際して多大な支援をしてくださったノバスコシア州漁業・水産養殖省に感謝申し上げます」とコメントしています。

ノバスコシア州の漁業・水産養殖大臣のキース・コルウェル氏は次のように述べました。「ノバスコシアは長い間にわたって品質の良い水産物を世界に供給してきました」。また、「独立した審査によりMSC規準を満たすとされたことで、環境意識の高い消費者からのイメージを向上させることができ、私たちのニシンの市場価値も強化されます」としています。

タイセイヨウニシンを漁獲する漁師たちの多くはロブスターやズワイガニなどの旬の水産物の漁獲も行いますが、この南部の湾岸地域の35の加工工場における2,000におよぶ雇用を支える重要な役割を果たしているのはニシン漁なのです。

タイセイヨウニシンは、9月と10月の限定された期間にのみ行われる沿岸漁業が対象とする複数の魚種のうちのひとつです。2015年にはライセンスを持つ400の漁業が5,630トン(260万カナダドル相当)のニシンを水揚げしました。漁業区域は、セントローレンス湾の南、ノバスコシア沿岸とプリンスエドワード島の南東沿岸の間のノーサンバーランド海峡の東側に位置するニシン漁業水域16Fです。

MSCカナダのディレクター、ジェイ・ルガーは次のようにコメントしました。「カナダのタイセイヨウニシン漁業がMSCのプログラムの一員となったことを心より歓迎いたします」。「セントローレンス湾は海洋生物の多様性に富んでおり、商業的漁獲が盛んに行われ、その多くの割合をMSC認証の魚が占めています。このタイセイヨウニシン漁業が、海の生態系を守るために熱心に取り組み、MSC認証によってその業績を世界に示す漁業の仲間入りを果たしたことを誇りに思います」。

何世紀にもわたってヨーロッパとアジアの食糧となっているニシンは使いやすい、マイルドな味の脂肪分の多い魚で、鮮魚、冷凍、塩漬け、缶詰、燻製、魚卵、魚油等で利用されています。カナダではニシンの卵(数の子)は重要な製品であり、ほとんどが日本に向けて販売されています。またタイセイヨウニシンの多くは北アメリカとカリブの燻製ニシン市場用として加工業者に販売されています。

(了)