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北大西洋の伝統ビンナガマグロ漁業がMSC認証を取得

今後、北大西洋のビンナガマグロを購入する消費者は、確実に持続可能で環境に優しい漁業から供給されたものを選択できるようになりました。独立した第三者認証機関がMSC認証規準に則った審査を行った結果、大西洋ビンナガマグロ(学名:Thunnus alalunga)を対象とした伝統的トローリング漁業と一本釣り漁業がMSCの青いエコラベルを表示する資格があるとして、環境に配慮した漁業への認証規準として世界で最も厳格なMSCの認証を晴れて取得しました。


バスクとラレドの漁業者組合のMSC認証授与式を世界海洋デーに開催

2016年6月8日の世界海洋デーには、ビスカヤ県とギプスコア県の漁業者組合で構成される、スペイン沿岸生産者協会およびサン・マーティン・デ・ラレド漁業者組合(ビスカヤ県の組合略称:OPESCAYA、ギプスコア県の組合略称:OPEGUI)に対し持続可能な漁業の証しであるMSC認証が授与されました。記念式典の会場となったのは、ギプスコア県オンダリビアのサン・ペドロ漁業者組合の本拠地です。
審査を行った独立認証機関のビューローベリタス社は、その報告書の中でビンナガマグロの資源量が健全な状態にあり、漁業活動による生態系への影響が最小限に抑えられており、予防的措置により適切に管理された漁業であることを評価しています。


ビンナガマグロを一匹ずつ選別

今回認証された伝統漁業の操業海域は、ビスケー湾および近隣の北大西洋FAO漁獲統計海区27です。6月から10月にかけてビンナガマグロを対象とする87のトローリング漁船からなる船団と、7月から11月にカタクチイワシやイワシを主とする生餌を使った42の一本釣り漁船からなる船団が、認証の対象です。両船団ともビンナガマグロを1匹ずつ選別する方法を取ることで生態系へのインパクトを最低限に抑え、管理しています。
カンタブリア海のカタクチイワシ漁業の認証に続く今回のビンナガマグロの認証によって、持続可能な漁業への認証船団の取り組みと努力が再確認されました。バスクおよびラレド漁業者の組合では、持続可能な漁業を推進するために伝統的な漁法が守られているのです。


消費者に持続可能性を保証

ギプスコア漁業者組合連合会の事務局長、ミレン・ガルメンディア氏は認証取得について次のように述べました。「バスクおよびラレドの漁業者たちは熟考の結果、2014年の9月に本審査入りを決定しました。我々の漁法および漁業の持続可能性を、信頼性の高い独立機関によって評価・推奨していただく必要性および意義を感じたからです。現在の消費者および市場は品質や鮮度だけでなく、環境に悪影響を与えない持続可能な水産物であるという確実な保証を求めています。MSC認証を取得したことにより、この保証を提供できるようになりました。また、我々のビンナガマグロを使った缶詰等の加工業者もまた、MSC認証製品に対する需要の高い市場に参入できるようになりました。」
「私たちはこの認証を使って、ビンナガマグロの供給元を消費者に明示したいと考えています。そのため消費者向け最終包装には、カンタブリア海産のビンナガマグロであることを明示するようお願いしています。ビンナガマグロを購入する消費者は、それがカンタブリア海で獲れたものだと誤解してしまう場合が多くありますが、ビンナガマグロはあくまでも魚種の名前(Thunnus alalunga)であって、どこの海でとれたのかは別記しなければわかりません」。
「認証取得のための努力はこれで終わったわけではありません。私たちは更なる管理改善のため、取り組んで参ります。そのための行動計画も既に策定し、今後数年をかけて実施していくつもりです。こうした努力と取り組みにより、漁業の収益性が伸び、漁業者もその恩恵にあずかれるものと確信しています。」
MSC スペイン・ポルトガルのカントリーマネージャー、ラウラ・ロドリゲスは次にようにコメントしました。「この度の認証では、MSC認証を取得して持続可能な漁業として認知されるために、長年にわたってバスク政府および水産食糧海洋技術センター(AZTI)と協働してきた船団の取り組みが功を奏しました。こうした協働によって欧州委員会の漁業総局からの支持へとつながり、大西洋まぐろ類保存国際委員会の地域漁業機関で採択され、漁業の国際管理の改善に拍車をかけることができたのです。今回の認証取得はこうした協働の賜物でもあります。ぜひ他の国際的なマグロ漁業もこれを参考にし、取り組みを進めていかれることを期待しています」。