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北東熱帯太平洋のマグロ巻き網漁業がMSCの認証審査入り

このたび、北東熱帯太平洋のキハダ(学名:Thunnus albacares)巻き網漁業とカツオ漁業(学名:Katsuwonus pelamis)が、独立審査機関による海洋管理協議会(MSC)の厳格な審査プロセスを自主的に受けることを表明しました。

MSCの漁業認証規準は、 環境的に持続可能な天然漁業のための、世界で最も厳格で信頼性の高い規準です。透明性の高いその審査プロセスでは、漁業が資源および海洋生態系に与える影響を検証すると共に、漁業の管理システムを調査し、将来にわたって海洋環境を保全するために必要な全ての措置が取られているかを評価します。

MSCアメリカの漁業アウトリーチ・マネージャー、ダン・アヴェリルは今回の漁業の決断について次のように述べました。「MSC審査に入る決定を下されたことを大変嬉しく思います。透明性の高い審査によって、漁業活動と海洋資源ならびに生態系に及ぼす影響が詳細にわたって科学的に審査され、情報も開示されることになります」。

審査を行う認証機関は、SCS グローバル・サービスに決定

本審査の漁業クライアントは北東熱帯太平洋でキハダおよびカツオを対象に操業を行なう5大水産企業で構成されている持続可能なマグロ資源のためのパシフィック・アライアンス(Pacific Alliance for Sustainable Tuna)です。水揚げされるマグロの大半は缶詰や冷凍ロインの形でメキシコ、ヨーロッパ、ラテンアメリカに輸出されます。

持続可能なマグロ資源のためのパシフィック・アライアンスは、厳格で科学的根拠に則ったMSC規準審査を行う認証機関としてSCS グローバル・サービスを選びました。

ルイス・ラザロ・ヴァレス氏は持続可能なマグロ資源のためのパシフィック・アライアンスを代表して次のように述べました。「私たちは、健康な海と持続可能な漁業という共通のヴィジョンを持っています。健康な海洋生態系の一環として、持続可能な漁業を確実に続けるために、漁業活動の継続的な改善に100%取り組んでいくことを誓います」。

「MSCの透明性の高い審査プロセスを通して、ステークホルダーの方々に私たちの漁業について理解して頂くことを期待しています。持続可能な漁業のための規準は科学的根拠に基づくものであり、科学の進歩と共に常に進化しています。私たちは、そうした規準を満たすために、革新を重ねてきた伝統を維持し、持続可能性への取り組みを一層強化していくつもりです。独立認証機関のSCS グローバル・サービスは、しっかりとした包括的な審査を行うことで大変評判が高いため、審査をお願いすることにしました」。

持続可能な漁業のためのMSC規準

審査は、15年に及ぶNGOおよび海洋学者、水産業専門家らによる協議を経て制定された持続可能な漁業のためのMSC規準に則って行われます。規準は3つの原則から構成されています。

  • 対象資源の健全な個体群の維持
  • 漁業が接する生息域および非対象種を含む広域の海洋生態系の保全、生産性およびレジリエンス(耐久性、復元力)の維持
  • 適切な管理 

漁業が認証を取得した場合には、引き続き持続可能性のための厳格なMSC規準に適合しなければならず、国際的最良事例を実践するために認証機関が必要と判断して設定する条件を満たすための改善措置を実施し、5年の認証有効期間中は年次監査を受けなければなりません。これによって、人と環境が長期にわたる恩恵を享受できることになります。サプライチェーンのトレーサビリティが、MSCの厳格なCoC規準を満たすことが実証されれば、その漁業による製品には、MSCの青いエコラベルを表示することができます。

MSC認証プログラムに参画する漁業は、海洋環境の改善に貢献していることがMSCの環境インパクト報告書20142013/2014年度年次報告書記されています。MSC認証を取得した漁業では1999年以来、絶滅危惧種の混獲の軽減や生息域の回復、海洋生態系の科学的理解を深めることなど、実に575もの業績改善が実施されています。こうした改善は市場の需要拡大によって促進されることが多く、持続可能な水産物がプレミアム価格で取引される場合もあります。

ご意見をお聞かせください

この審査は、北東熱帯太平洋のキハダ巻き網漁業およびカツオ漁業の持続可能性について率直な意見交換を行う絶好の機会です。漁業の持続可能性に関する決定は審査が完了するまで行われません。最終決定は入手可能なすべての科学的データに基づいて行われます。

ステークホルダーの方々からのご意見は漁業を審査する上で不可欠です。結果はすべて査読されます。どなたでも審査プロセスに携わることができます。今回の審査を担当する認証機関SCS グローバル・サービス(SCS Global Services)に情報を提供したい場合はSiân Morgan, Ph.D. にメール[email protected]もしくは電話 + 1-510-452-6393にてご連絡ください。