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米国の南東大西洋メカジキ漁業がMSC認証取得

米国南東大西洋メカジキ(Xiphias gladius)の漁業が、持続可能で適切に管理された漁業に対するMSC認証を取得しました。この漁業に関する審査は、国際的に認定された認証機関であるMRAGアメリカによるものです。この認証は、Day Boat Seafood社との協働による延縄とブイを使った漁業です。Day Boat Seafood社を通じ販売されるメカジキ製品は、MSCの青いエコラベルの表示が可能になります。水揚げされる毎年およそ200トンのメカジキは、生鮮品として国内向けに販売されます。

この漁業は、フロリダ東沿岸で、季節ごとに多少場所を変えながら通年にわたり操業されており、マグナソン・スティーブンス法と大西洋マグロ類保存国際委員会(ICCAT)の取り決めに応じ、米連邦政府によって管理されています。さらに、米国海洋漁業局(NMFS)による絶滅のおそれのある生物種に関する法を含む他の米連邦法と規則を順守しています。

この認証では、9つの条件、もしくは改善行動が、認証のプロセスにおいて認証チーム、利害関係者、査読を担当した科学者などから指摘を受けた問題に取り組むために必要とされました。年次監査においてそれらの条件を満たすための改善が審査されます。

Day Boat Seafood社の持続可能性コンプライアンス・ディレクターのデビー・ルイス氏は、「我々の浮き魚延縄とブイ漁業がMSC認証を取得したことを誇りに思います。これは、フロリダ東海岸の漁業者たちが、この10年間持続可能な方法で漁を行い、北大西洋のメカジキの個体数回復に貢献してきた努力が報われるからです。この認証による便益が、世界中の他のメカジキ漁業者が同じような方策をとるきっかけになることを願っています。この認証の取得のために協働したNMFSの高度回遊性魚種管理部門(Highly Migratory Species Management Division)、環境保全団体、利害関係者に感謝致します」と述べています。

MSCアメリカ地域事務所ディレクターのケリー・コフリンは次のように述べています。「この漁業で既に行われていた効果的な管理がMSC認証で確認され、必要とされた改善事項は、アメリカ海域の高度回遊性魚種の規制や、より広範囲に適用されるICCATによる管理のための知識と政策に役立つことでしょう。MSCのプログラムは、市場の力を利用して、海と市場に水産物の持続可能性のための変化をもたらしています。」

審査と認証について

認証機関は、専門家による審査、その審査についての科学的ピアレビュー、関係者からのインプットに基づき、31の評価項目について漁業の得点付けを行います。条件(や改善行動)は、持続可能性は認められたが、より高い予防的レベルに達するための改善が必要であると認証機関が判断した評価項目について、必要とされます。

この審査においては、9つの改善行動が特定され、認証有効期間中の完了が求められています。されに、Day Boat Seafood社によって策定された行動計画には、漁獲物の乗船モニタリングに関する項目もあり、乗船率を規定の8%から100%にします。

9つの改善行動:
MSCの原則1では、魚種資源の健全性を審査しますが、認証機関はDay Boat Seafood社が政府機関と共同で、資源量の安定しない北大西洋のメカジキの漁獲規制方策をICCATに策定するように働きかけることを求めました。再認証の取得には、ICCATが明確な方策を打ち出していることが条件となります。

原則2では海洋生態系における漁業の影響を評価しますが、Day Boat Seafood は、漁業を改善するために、4つの領域についての活動を行うことにしています。これによりアカウミガメや、他のカジキ、サメを含む混獲種に関するデータの収集と、混獲による生態系への影響の審査を促進することになります。第三者によるモニタリングを5年間の間100%の乗船率で行うことも、この一環です。認証機関は、この漁業はアカウミガメに対して容認できないほどの影響を及ぼしがたいと判断した一方で、Day Boat Seafoodに、これを証明するように求めました。

原則3は、漁業の管理に関する審査項目ですが、認証機関はこの項目についても改善活動を求めています。漁獲物がMSC認証を取得した漁業海域からのものであることを確実にすることと、政府機関と共に、ICCATに対してより予防的な措置をその管理政策に盛り込むように求める具体的な方法を講じるように求めています。

認証機関について

RAGアメリカは独立した第三者認証機関です。この認証のための審査には、科学的なピアレビューと利害関係者の参加、現地訪問、ETP種(絶滅危惧種、保護種)に関する利害関係者特別会議と異議申し立て期間を合わせ、約20か月かかりました。