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南アレストラン、アフリカ初CoC認証およびトリスタン・ロックロブスターがMSC認証

南アフリカケープタウンのツーオーシャンズ水族館のショアライン・カフェが、アフリカのレストランで初めて、水産物のトレーサビリティに関するMSCのCOC認証を取得しました。また、ケープタウンに水揚げされる南大西洋トリスタン・ダ・クーニャ諸島のロックロブスター漁業がMSC漁業認証を取得し、7月19日にショアライン・カフェにおいてこれらの祝賀会が開催されました。


MSC認証取得によって、トリスタン・ダ・クーニャ諸島のロブスター漁業とショアライン・カフェは、持続可能な漁業で獲られた水産物であることを表す青いMSCエコラベルを使用することができます。

このロブスター漁とレストランのMSC認証を祝し、MSC南アフリカプログラム・マネージャーのマーティン・パーブスは、「本日、MSCのプログラムが水産物流通のさまざまな局面でのビジネスに関連しているとともに、持続可能性を運営方針の中心に置こうとしている点でつながっていることが示されました。ここケープタウンに水揚げされるトリスタン諸島のロブスター漁業は、南大西洋の遠隔の小さなコミュニティを支えており、一方、ショアライン・カフェは、南アで最も人気のある観光地の一つであるツーオーシャンズ水族館において、毎年数千人の来場者に食事を提供しています。この大きく異なる両者による持続可能性と水産物マーケットの変革への貢献を示したいという思いをMSCのプログラムが満たすことができ、この上なく誇りに思います」と述べました。

世界でもっとも遠隔のコミュニティが、持続可能性のためMSCを選択

トリスタン・ダ・クーニャ諸島は、世界有数の孤島のひとつで、世界でもっとも遠隔のコミュニティがあります。トリスタン・ロックロブスターは、トリスタン・ダ・クーニャ諸島(トリスタン・ダ・クーニャ島、ゴッホ島、ナイチンゲール島、インアクセシブル島)だけで獲れ、264人だけの全島民は、主な収入をこの漁業に頼っています。年間漁獲高は440トンで、アメリカと日本が主な販売先で、高級レストランや結婚式の宴会などで提供されています。

ケープタウンの水産会社オーブンストーン・エージェンシー(PTY)社は、この漁業権をもつ唯一の会社で、MSC認証の申請者です。ゴッホ島、インアクセシブル島、ナイチンゲール島の3つの外島での漁業は、同社が有する冷凍延縄船M.V.エジンバラ号によって行われ、沿岸部では、4隻の小型漁船が操業しています。トリスタン島での漁業は、オーブンストーン社が雇用する島民によって、同社所有の9隻の小型漁船を使い行われます。

この漁業は、トリスタン・ダ・クーニャ漁業局により管理されており、ケープタウン大学による科学的助言を元に、それぞれの島での年間漁獲量を定めています。

本漁業は、持続可能漁業基金(注1)の助成を受けて、2010年1月に本審査を開始し、MSCの持続可能な漁業のための規準の三原則について審査されました。すなわち、漁業が、過剰漁獲につながらない方法で行われていること、広範囲の海洋エコシステム(生態系)の健全性と生産性を維持していること、効果的な管理システムを持つことが認められました。


認証を受け、オーブンストーン・エージェンシー社のマネジング・ディレクター、アンドリュー・ジェームズ氏は、「この自然資源をわたしたちが大切に守ってきたことがMSC規準を満たしていると認められ、大変嬉しく思います」と述べ、また、トリスタン・ダ・クーニャの漁業ディレクター、ジェームズ・グラス氏は、「このロブスター漁業の慎重な管理は、トリスタンのコミュニティの経済的自立の継続の基礎です。わたしたちは、MSC認証が新しい市場を見つけることに役立つことを期待しています。世界的に認知されているMSCエコラベルは、取引先や消費者がわたしたちのロブスターを他のものと区別することを助け、水産物市場における持続可能な選択を促進することでしょう」と付け加えました。

ショアライン・カフェがアフリカで初のCoCを取得

毎年数千人の来場者に食事を提供しているショアライン・カフェは、長年にわたり持続的なシーフードを提供しています。MSC認証によって、ショアライン・カフェは、MSC認証漁業で獲られたものであることを完全に追跡できる水産物を提供している、有名シェフ、レイモンド・ブラン氏のル・マノワール(Le Manoir aux Quat’Saisons)などMSCエコラベルをメニューに表示している世界的に知られたレストランの仲間に加わります。

ショアライン・カフェのエグゼクティブ・シェフ、ホアン・デ・アレンド氏は、「審査員は、その水産物がきちんと漁業まで遡ることができるかどうかを確認するために伝票をチェックし、わたしたちの食材発注システムのトレーサビリティを確認しました。これで、お客様に対して、わたしたちが提供するシーフードが確実にMSC認証漁業からのものであることが保証されます。」

ツーオーシャンズ水族館のマネジング・ディレクター、パトリック・ガラット氏は、「水族館として、わたしたちは、世界の魚資源の状況に関する認識の向上や世界の海洋の健全性を保つために人々が行う選択に関して特別な責任を持っています。わたしたちの信頼性もまた、わたしたちの調達方針の持続可能性にかかっています。MSCエコラベルによって、来館者はわたしたちの取り組みを目で見て知ることができます。」

「来年は、第8回国際水族館会議がここで開催されます。わたしたちはこの機会や、また他の機会を通じて、MSCエコラベルと、持続的なシーフードを選ぶことで、一人ひとりが海の将来のために貢献できるという認識が向上することを期待しています」と述べました。

注1:持続可能漁業基金(SFF)は、リソース・レガシー基金のプログラムとして、消費者に環境的に持続的な漁業からの水産物を供給している漁業関係者、行政、環境保護非営利団体に資金支援を行っています。