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「愛知ターゲット」の達成度に関する最新の調査について

国際的に合意された生物多様性に関する目標を2020年までに達成するためには、より一層の努力が必要であるという研究報告が、学術雑誌「サイエンス」の今週号に掲載されました。報告書の共同執筆者には、MSCのニコラス・グティエレスも名前を連ねています。

最近、世界の野生生物がこの40年で半減してしまっていることを示すWWFの報告書(英語のみ)が発表されましたが、今回の研究結果により、生物多様性の保護に向けた措置を強化する必要性が明らかとなりました。

2010年、193カ国の合意により、生物多様性に関する20の個別目標がまとめられ、愛知目標(愛知ターゲット)と名付けられました。2020年の目標達成までの中間点の年にあたって、30を超える機関を代表する51人の専門家らが、これまでの進捗状況と目標達成の可能性を検討しました。

研究者らは、生物多様性に対する管理努力、資金投入の促進、陸および海域における保護地域の大幅な拡大にもかかわらず、自然界に対するこれまでの深刻な影響と増加し続ける圧力を鑑みた場合、現状のままでは、愛知ターゲットの大半については2020年までにこれを達成できる可能性は低いという結論に至っています。

海の持続可能性に貢献するMSC認証漁業

MSCのシニアリサーチ&クレディビリティ・マネージャーで、今回の研究の共同執筆者の一人であるニコラス・グティエレスは次のように述べました。「2020年までに合意目標を達成するためには、現状の管理と政策努力では不十分であるということが大半の指標から明らかでありますが、一方でMSC認証取得漁業は大幅に増加しています」

「MSCプログラムへの参加の高まりから、持続可能な漁業の最良事例に対し、漁業者のみならず水産業界、科学者、自然保護団体、政府機関および消費者が一丸となって取り組んでいる様子がはっきりと窺えます。このことが、魚類および無脊椎動物に関する愛知ターゲットの達成に寄与することになるのです」。

MSC認証漁業による管理改善措置は、1999年以降500以上に上ることがMSCの研究調査で明らかになりました。世界の天然漁業の水揚げ量の10%はMSC認証漁業が占めており、2020年までには更に600以上もの管理改善の実施が確約されています。こうした取り組みによって、健全な海洋環境を保全し、水産物資源および漁業者の生計が将来にわたって確実に守られていくことになるのです。

魚類および無脊椎動物資源の愛知ターゲット

愛知ターゲットの20の個別目標の一つとして、「すべての魚類、無脊椎動物の資源と水生植物が持続的かつ法律に沿ってかつ生態系を基盤とするアプローチを適用して管理、収穫され、それによって過剰漁獲を避け、回復計画や対策が枯渇した種に対して実施され、絶滅危惧種や脆弱な生態系に対する漁業の深刻な影響をなくし、資源、種、生態系への漁業の影響を生態学的な安全の限界の範囲内に抑えられる」ということが挙げられています。

MSCの任意の漁業認証およびエコラベルプログラムは、持続可能な漁業を奨励することで、愛知ターゲットに示された全ての分野における改善を実施するインセンティブ作りに貢献していることから、MSC認証漁業およびその水揚げ量の増加は愛知ターゲットの達成の度合いを測る指標となっています。

環境インパクト:MSC認証漁業による改善効果についてお読みください>