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50万トンを超えるカツオがMSCの本審査へ

8つのナウル協定加盟国(PNA)[1]が管理する、中西部太平洋で漁獲されるカツオの50%までが、海洋管理協議会(MSC)の適切に管理された持続可能な漁業の本審査に入りました。認証されれば、56万トンを超えるカツオにMSCのエコラベル表示が認められます。

本審査に入るのは、自然の魚群を漁獲対象とし、魚を集める人工集魚装置(FAD)を使用しないカツオ漁業です。PNA諸国はそのマグロ・カツオ漁業における、この特徴的な部分を持ってMSCの本審査に入る意向を、今年初めの第1回PNA大統領サミット後に発表しました。PNA海域で獲られたカツオはヨーロッパや北アメリカで販売され、缶詰製品、サンドイッチやサラダの具材として人気があります。

PNAのディレクター、Transform Aqorau博士は、「PNAの存在意義は、我々がカツオに対する持続可能な管理を行うことで、太平洋諸島民に最大限の経済的利益をもたらすことにあります。MSC認証を目指すことはその目的達成に向けた重要な一歩であり、これによりPNA加盟国の利益のためにカツオ資源へのアクセスを規制する活動の価値が、消費者に認識されることになります。このプロセスを経て、2011年には自然な魚群で漁獲されるカツオがMSC認証を取得すると期待されており、その進展を楽しみにしています」と述べています。

MSCの副最高責任者、Chris Ninnesはこの発表を歓迎し、次のように述べています。「この審査はMSC制度の歴史における重要なできごとです。PNAの8ヶ国が、今年初めにその意思を表明してからこれほど短期間で、この漁業をMSC本審査へと進めたことを大変喜んでいます。審査の結果、この漁業がMSCの規格を満たせば、中西部太平洋で漁獲されるカツオのおよそ半分に、MSCエコラベルの表示が認められることになります。これは信頼のおける、持続可能な認証済みカツオに対する缶詰市場の需要に応える上で、大きな節目となるでしょう。この漁業の認証取得を心からお祈りいたします」

MSCの太平洋漁業マネージャー、Bill Holdenは、「PNA諸国は、そのマグロ・カツオ資源を、各国民の利益のため、現在および将来の世代の需要を考慮に入れつつ、革新的に管理していることで知られています。カツオの自然な魚群を獲る自国の漁業が、適切に管理された持続可能なものであることを世界中のバイヤーに証明するため、これらの国々がMSC認証を選んだことは、MSC制度の有効性を示すものと言えるでしょう。これから行なわれる審査では、適切に管理された持続可能な漁業のMSC規格に照らした評価が行われ、漁業資源の持続可能性、環境への影響、効果的な管理が検討されることになります」と述べています。

 以上

 [1] ナウル協定は、地域内のマグロ・カツオ巻き網漁業許可の条件等について、共通の利益を有する漁業の管理における協力に関する準地域協定です。ナウル協定の加盟国は、ミクロネシア連邦、キリバス、マーシャル諸島、ナウル、パラオ、パプアニューギニア、ソロモン諸島、ツバルです。各国合わせて、世界有数のカツオ・マグロ資源量を有する太平洋上200マイルの排他的経済水域(EEZ)を持っています。