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アラスカのサケに対するMSC認証の引き継ぎ先がAFDFに決定

本日(2010年2月19日)、Alaska Fisheries Development Foundation(AFDF)の理事会が、アラスカのサケ漁業全体に対するMSC認証の維持に向け、認証を引き継ぐことに賛成する決議を下したと、MSCは連絡を受けました。AFDFは、年次監査の実施について、独立した認証機関にただちに働きかける予定です。年次監査が無事終われば、MSC認証を受けたアラスカのサケは引き続き供給されることが確実となります。

MSCは、引き継ぎ先となることを検討していたアラスカシーフードマーケティング協会(ASMI)と協議してきました。しかし12月3日のASMI理事会では、ASMIから認証引き継ぎにおける費用分担に関し、現在のMSCの制度では対応が困難な新たな提案が出されました。ASMIは、この問題が資金調達において影響を与える可能性があるとして、理事会はアラスカのサケに対するMSC認証の引き継ぎについての決定を延期しました。

AFDFがクライアントとなる方向を示すことで、認証管理における遅延と不確実性を払拭されることとなりました。MSCはAFDFのみならず、今回のアラスカのサケの認証が確実に継続されるよう働きかけていただいたASMIとUnited Fishermen of Alaska (UFA)、そして他のサケ漁業関係の代表者達の取組みに感謝しています。MSCは、州の漁業管理者、加工業者、漁業者と協力し、この重要かつ持続可能な漁業の認知と商業的便益の向上に向け、引き続き取り組んでいきます。

AFDFは、2000年にアラスカのサケ漁業が最初にMSC認証取得して以来、認証取得者として関わってきたアラスカ州漁業狩猟局(ADFG)から、認証取得者としての役割を引き継ぎます。ADFGは、MSC認証を取得した政府の漁業管理機関という特異な役割を担ってきましたが、他の組織にその役割を引継いでもらいたいと考えていました。

MSCは、国際的に広く認知された、天然魚漁獲漁業の持続可能性とエコラベル制度を運営する国際的な非営利団体です。この制度では、漁業関係者が自らの意思で、認定された認証機関によって実施される独立した第三者による審査を申請し、客観的かつ科学的な見地から、持続可能で適切に管理された漁業のためのMSC基準を満たしているかどうかが審査されます。MSC漁業認証の有効期間は5年ですが、その間毎年年次監査が行われます。

アラスカのサケは2007年に再度認証されました。同漁業が予定されている今回とその後の年次監査を問題なく完了すれば、現在のMSC認証は2012年の11月まで有効となります。2012年以降も認証を継続するためには、さらなる再審査により、3度目の5年間有効の認証を取得することが求められます。この認証取得者の変更によって、現在の認証期間に空白が生じることはなく、2000年の認証取得以降に獲られたアラスカ産サケには、MSCのエコラベルを付けることができます。

AFDFは現在の認証範囲を維持し、全てのアラスカのサケ漁業と魚種が対象となることに変わりはありません。AFDFは年次監査を行い、MSC制度の要求事項を満たすための責任を持ち、アラスカサケの生産者全てが認証を使用できるよう取組んでゆきます。アラスカのマダラ漁業のMSC認証取得者でもあるAFDFは、MSC認証に係るアラスカサケ関係者の間での費用の分担について、マダラの認証のケースと同じ形を取ることを検討しており、アラスカサケ漁業のMSC認証維持に必要となる費用は、認証を引き継ぐグループへの参加企業で分担することとしている。

MSCの最高責任者ルパート・ハウズは、「アラスカサケ漁業の認証を引き継ぐというAFDFの決定をMSCは歓迎いたします。このニュースは世界中のマーケットで歓迎されることと思いますし、AFDF、ASMI、ADFGならびにアラスカサケ漁業に携わる他のパートナーと今後も協力していけることをうれしく思います。また、MSC制度の初期において、ADFGが果たしてくださった指導的な役割に感謝いたします。その勇気ある関わりにより、アラスカのサケ漁業は世界で最初にMSC認証を受けた漁業の一つとなったのです。」と述べています。

MSCの諮問委員会会長である、ウィル・マーチンは、「認証の引き継ぎについての、ASMIとAFDFによる支援およびに検討に感謝します。またAFDFが認証の継続に同意したことを嬉しく思っています。アラスカのサケは、国内のみならず国際的にも象徴的なブランドであり、漁業関係者の方々は、数あるMSCのプログラムの中でも最も深い関わりをもって下さっている人々です。AFDFによる決定は、多くの水産業界関係者にとって重要であり、マーケットの力により責任ある漁業の実施を推進するという我々の取組みによる利点を確実に示すものです。」

以上