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アラスカ先住民族による漁業が初めてMSC認証を取得

アラスカ南東部のアネッテ島特別居留地(AIR)周辺の水域に位置するメトラカトラ先住民地域の漁業が、MSC漁業認証を取得しました。この認証は、カラフトマス (Oncorhynchus gorbuscha), シロザケ (Oncorhynchus keta), ギンザケ (Oncorhynchus kisutch), キングサーモン (Oncorhynchus tshawytscha)の4種を対象とし、使用される漁具の種類は、刺し網、引き網、流し釣りの3種で、12の認証単位となります。

漁業者であり民族の一員であるカール・クックJr氏は、次のように話しています。「アネッテ島に1887年に移住したわれわれの先祖は、土地や海の環境を守ることに献身しました。今回のMSC認証の取得は、私たちが受け継いだ遺産を守り、メトラカトラの将来の世代のために漁業資源を支える環境と遺産をきちんと管理していこうとする責任をさらに強くするものです。」

AIRは、ブリティッシュコロンビア州のメトラカルタからやってきたツィムシャンインディアンの一グループに、1891年にアメリカ議会から譲られたものです。およそ25年後の1916年に、ウッドロー・ウィルソン大統領が、干潮時のアネッテ諸島周囲3000フィート(約914.4メートル)以内を民族が自治する水域とする法律に署名しました。

AIRは、ブリティッシュコロンビア州のメトラカルタからやってきたツィムシャンインディアンの一グループに、1891年にアメリカ議会から譲られたものです。およそ25年後の1916年に、ウッドロー・ウィルソン大統領が、干潮時のアネッテ諸島周囲3000フィート(約914.4メートル)以内を民族が自治する水域とする法律に署名しました。

漁業について

この漁業は、5月から10月にかけて行われ、カラフトマスがその漁獲の大部分のおよそ83%を占めます。過去10年間の漁獲の年間平均は、1100万匹、重さは約3000トンで、1300万USドルに相当します。漁獲の主要な販売先はヨーロッパです。

独立第三者認証機関であるサイエンティフィック・サーティフィケーション・システム(SCS)は、12の審査単位について22の改善行動(認証条件)を認証に盛り込んだうえで、アネッテ島の漁業が厳格なMSC基準に合致すると判断しました。地元のコミュニティは、この改善行動を将来の漁業とサケ資源の改善へ向けた管理方策として活用することができます。認証条件には次の項目が含まれます。

-AIRにおけるギンザケの多様性と再生産能力を確実なものにするための管理目標の設定
 
-枯渇が懸念されるベニザケの資源回復の可能性に他の漁業が悪影響を及ぼさないことを確実にするための資源回復方策実施の証明

-増殖による個体の野生魚への影響の有意性を計るために十分な情報を得るための事前サンプリングの開始
 
-絶滅危惧種や保護種に対する科学的に証明可能なモニタリングと報告制度の構築

メトラカトラの市長アーサー・G・フォウセット氏は、「MSC認証と認証に付された条件による漁業改善の実施は、地元のコミュニティと先住民族、アラスカの近隣住民、また、我々の水産物を購入するヨーロッパ市場に対して、メトラカトラインディアンコミュニティは、現在また将来の世代に渡って持続可能な漁業に責任をもって従事しているという力強いメッセージを送ることになります。」と話しています。

MSC北米地域ディレクターであるケリー・コフリンは次のように述べています。「アネッテ島特別居留地の認証は2世紀に渡る文化的遺産の物語です。私たちMSCは、この物語とメトラカトラの将来の世代に受け継がれていく遺産に関われることを誇りに思います。コミュニティによる責任ある管理は、漁業と次世代のメトラカルタのコミュニティに貢献するでしょう。」