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インドネシアのカツオ・マグロ一本釣り漁業が同国初のMSC認証を取得

インドネシアのカツオ・マグロ一本釣り漁業が同国初のMSC認証を取得

Citraraja Ampat Canning有限会社(CRAC社)による西パプア州ソロンを拠点としたカツオ・キハダマグロ一本釣り漁業は、この度、MSC(海洋管理協議会)の持続可能な漁業に関する認証規準を満たしているとして、インドネシア初、そして東南アジアにおいて2番目となるMSC認証を取得しました。

 

CRAC社のMSC漁業認証の審査は、独立した審査機関であるDNV GLによって行われました。MSC認証審査では、MSC自体が漁業を認証するのではなく、MSCが策定した漁業規準に則って独立の第三者認証機関が審査を実施して、漁業認証の合否を決定します。DNV GLによるCRAC社の審査は18か月におよび、その過程では入手可能なあらゆる科学研究とデータの分析、ステークホルダー協議、現地視察、および独立した専門家によるピアレビューが行われました。

 

世界第2位の水産物生産量を誇るインドネシアは、世界の海洋と水産物供給を保全する重要な役割を担っています。MSCの認証を取得するためには、持続可能な水産資源に関する国際的合意を順守し、環境への影響を最小限に抑え、効果的な管理を行なっている漁業であることを実証する必要がありました。インドネシア政府はこの認証を維持するために、新たな措置に取り組むことを宣言し、持続可能な漁業を推進するためのリーダーシップを示しました。

 

MSCアジア太平洋地域ディレクターのパトリック・カレオは、次のようにコメントしました。「Citraraja Ampat Canning社は、インドネシアと東南アジアにおける持続可能な漁業のパイオニア的存在です。MSC認証を取得するために行った取り組みは、漁業を糧とする人々の暮らし、水産資源、そして健全な海の未来を守ることに貢献するものです。他の漁業にもぜひ追随していただき、持続可能な水産資源のための国際的な取り組みに参加してくれることを願っています。」

 

小規模で環境に優しい漁業

CRAC社によるソロンの一本釣りカツオ・キハダマグロ漁業は、35隻の一本釣り漁船から構成されており、750名の漁業者を雇用しています。1975年に操業を開始し、固定の人工集魚装置(FAD)である係留ラフトを用いており、生態系に与える影響が少なく選択性の高い一本釣り漁法で、魚を一尾ずつ捕らえています。

 

継続的な改善への取り組み

審査を行なったDNV GLは、この漁業がMSC漁業規準が要求する高い水準の持続可能性を満たす漁業であるとしたものの、認証に際して、今後5年以内に満たさなければならない6つの条件を設定しました。これらの条件では、健全なカツオ・マグロ類資源を維持するための国際協力を確実なものとするために、漁獲方策および漁獲制御ルールの改善を行うことが求められています。

 

インドネシア海洋水産省(MMAF)は、漁業と協力して認証条件を満たすために必要な措置を取ることに合意しました。カツオおよびキハダマグロの効果的な漁獲方策を促進するためには、世界のカツオ・マグロ類の水揚げの60%を管理する中西部太平洋マグロ類委員会(WCPFC)の他の加盟国との協働が必須です。

 

インドネシア海洋水産省(MMAF)の漁獲漁業総局の局長であるZulficar Mochtar氏は、インドネシアの漁業管理の強化に貢献するものとして、Citraraja Ampat Canning社のMSC認証取得を歓迎し、次のように述べました。「インドネシアの漁業は、MSC認証を取得することによって、持続可能性の原則と国際基準を満たしていることを実証することができます。今後、インドネシアでさらに多くの漁業と企業がMSC認証を取得することを期待しています。」

 

Citraraja Ampat Canning社の最高経営責任者であるPak Ali Wibisono氏は漁業を代表して次のように述べました。「Citraraja Ampat Canning社とソロンの一本釣り漁業では、持続可能性を最重要課題の一つと位置付けており、今回インドネシアで初となるMSC認証を取得できたことを大変光栄に思っています。

 

この認証は、インドネシアの海洋水産省による持続可能な漁業を推進するための取り組みに合致するものです。インドネシアの他の一本釣りマグロ漁業も、これを刺激に、より持続可能な漁業を目指して認証取得に向けて取り組んでいただけることを願っています。これは、ソロンの漁業者と漁業コミュニティ、そして、未来の世代のために魚や健全な海を確実に残していくために大切なことなのです。」

 

CRAC社は、この漁業が漁獲したカツオ・マグロ類をインドネシアのソロンで加工し、その後にシンガポール、マレーシア、ヨーロッパに向けて輸出しています。カツオは、地元住民にとって重要なタンパク源であり、インドネシア政府は、地域の食糧安全保障上の理由から、水産物の消費を推奨しています。認証を取得したことによって、この漁業で獲られたカツオ・マグロ類はMSCの海のエコラベルを付けて販売することができます。

(了)