~世界初の持続可能な真珠の誕生に期待~
オーストラリア真珠生産者協会(the Australian Pearl Producers Association: PPA)が、世界初となる真珠貝養殖漁業(*注)でのMSC漁業認証の審査に入りました。MSCの持続可能な漁業に関する規準を満たし認証を取得すれば、世界の真珠業界に影響を与えるでしょう。持続可能な漁業認証は、食品以外の水産品も対象としています。
今回審査入りした漁業の年間生産額はおよそ9000万オーストラリアドル(約78億円)で、オーストラリアでも商業価値の非常に高い漁業の1つであり、同国の経済にも大きく貢献しています。
PPAの執行役員、アーロン・アーヴィング氏はこの革新的な動きに喜びを表し、「誰もが持続可能で豊かな海を大事にしたいと思っています。私たちが認証を取得したあかつきには、世界初となるMSC認証の真珠により持続可能な水産宝飾品を身につけることができるようになります」と述べています。
今回の認証審査入りは持続可能な宝飾品に対する市場需要の増加を反映しています。西オーストラリア州とノーザン・テリトリー(北部の準州)にあるこの真珠養殖漁業は、真珠のほか、真珠貝(白蝶貝)のむき身や貝殻を使用した製品を生産しています。
MSCのアジア太平洋地域ディレクター、パトリック・カレオは、今回のMSC漁業認証審査入りを歓迎し「漁業というと食品としての水産物を連想しがちですが、今回の審査入りにより違った角度から漁業や持続可能性をとらえることができるでしょう。」とコメントし、また「より多くの人々が海のことについて良い行いをするだけでなく、自分自身もよく見えるように望むようになってきています。この真珠養殖漁業が認証を取得した際には、見識ある消費者が、持続可能な水産品を食べるだけでなく、身につけることで海の資源に対してポジティブな影響を与えていくことができるようになります」としています。
今回の審査は独立した認証団体のSCS グローバル・サービスにより12ヶ月から18ヶ月にかけて行われ、各ステークホルダーのアドバイスを随時受け付けています。この漁業の審査に対してご意見等は、 [email protected] までご連絡ください(英語のみ)。
(了)
注:MSC認証は天然漁業対象ですが、二枚貝の増殖は対象に含まれます。