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カラスガレイ漁業がMSC認証を取得

西グリーンランド沖で行われているカラスガレイ漁業 (学名:Reinhardtius hippoglossoides)が、持続可能で適切な漁業管理システムを保持しているとして、MSC漁業認証を取得しました。これはカラスガレイ漁として、初のMSC認証漁業となります。

グリーンランド持続可能漁業組合 (SFG) は、2016年3月にMSC漁業認証の審査入りをし、漁獲された魚は、MSCの海のエコラベルを付けて、世界中で販売されることになります。

持続可能な北極魚種

この漁業は、バフィン湾と西グリーンランド沖のデービス海峡で、1960年代の中頃から操業しています。この地域での漁業は、グリーンランド自治政府の漁業狩猟農業省によって管理されており、毎年、漁獲可能量(TAC)を設定しています。

グリーンランド漁業ライセンス管理では、漁業が操業する際に、航海日誌の記録と監視員の乗船を義務づけています。混獲を防止するため、漁網の網目の最小サイズは140mmに規制されており、混獲物の投棄は禁止されています。

今回認証を取得した冷水魚類のカラスガレイは、北極地方全域に存在し、一般に摂氏1-4度の水温で活動しています。この魚種は、体長1.2mにまで成長する巨大なカレイ類です。片側が白色でもう片側が黒色の他のカレイ類とは異なり、両面とも黒色です。

商業的な価値

カラスガレイは、アイスランドの水域で最も高価なカレイ類であり、そのほとんどが寿司と刺身の原料として、中国と日本に輸出されています。欧州内の最大市場はドイツとスペインです。

MSCアイスランド、グリーンランド、フェロー諸島担当シニアプログラム・マネージャーのギスリ・ギスラソンは次のように述べています。

「SFGは、MSC規準に準拠した認証漁業になるという目標のために、多大な努力をした結果、エビとランプフィッシュ漁業で認証を取得しましたが、続いて今回のカラスガレイ漁業も認証されました。このMSC規準に基づく認証が持続可能性と適切な管理の証として、ヨーロッパとアジアの市場で認知されることを願っています。」

SFGの議長であり、ロイヤルグリーンランドの企業持続性マネージャーでもあるリスベート・デュー・シューネマンポール氏はこのように述べています。

「カラスガレイ漁業はグリーンランドの経済にとって重要です。今回、カラスガレイ漁業の持続可能性を示す認証の取得にあたり、取引先から多くの問い合わせを受けました。私たちは、このMSC認証が、海外のお客様、欧州だけでなくアジアのお客様に高く評価されることを願っています。」

認証について

14ヶ月におよぶ審査は、MSC漁業審査規準v2.0を使用し、認証機関DNV GLによって実施されました。審査は、トロール漁業会社4社を含んでいます。科学に基づいたMSCの漁業規準は、環境に配慮した天然の漁獲において、世界で最も信頼性が高く、認知されている基準です。