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グリーンランドの漁業が初のMSC認証を取得

西グリーンランドの底引きによる冷水性エビ漁業は、2月21日、海洋管理協議会(以下MSC)の、持続可能で適切に管理された漁業のための国際基準に適合したとして、グリーンランドの漁業として初めてMSC認証を取得しました。今後、この漁業により漁獲された冷水性エビ(学名 Pandalus borealis: ホンホッコクアカエビ)は、MSCの青いエコラベルを付けることができ、バイヤーと消費者に、認証された水産品であるという自信を与えます。今回の認証審査は独立した認証団体のインテレック・ムーディー・マリン社により行われました。

認証されたグリーンランドのエビは国際市場にも流通

今回認証を受けた漁業は沿岸および沖合両方の漁業で構成され、小型漁船21隻、加工船7隻により操業されています。南グリーンランドのカコトック湾西岸から北部のウペルナビク沖合までの海域で、1年を通じてオッタ―・トロールを使用してエビを漁獲します。2012年の漁獲可能量(TAC)は105,000トン、うちグリーンランドの漁船には97,675トン、残りはEUとカナダに割り当てられました。2013年のTACは90,000トンで、グリーンランド漁業への割り当ては83,863トンとなっています。

国際市場では、グリーンランドのエビはその品質の高さで知られています。生の殻付きのエビは日本、韓国、台湾に、殻付きのまま調理されたエビは北欧諸国とロシアに輸出されています。調理された殻なしのエビは、イギリスはじめヨーロッパ諸国の市場で販売されています。

グリーンランドの持続可能性への取り組み

グリーンランド持続可能漁業者会(Sustainable Fisheries Greenland)の代表ヘンリク・レスは、次のように述べています。「認証取得に向けた中で私達は、厳しいながらも実りあるプロセスに参加していることがわかってきました。私達は、水産業界全体が私達の取り組みに関わったという事実を非常に重要だと感じています。今回の経験では、持続可能性を客観的に立証できるという自信を、私たちの他の漁業に対しても持つことができました。」

漁業法の原則としての持続可能性

グリーンランドの水産大臣アネ・ハンセンは以下のようにコメントしています。「自然に対して敬意を表すことは、グリーンランドが何世紀にもわたり生存するための基本条件となっており、グリーンランド政府は、持続可能性を漁業法の原則として取り入れています。これにより私や政府は、MSC認証取得へ取り組むグリーンランド持続可能漁業者会を支援することを、極めて当然なことだと考えました。」

MSCにとって画期的なグリーンランドのエビ漁業への認証

MSC北ヨーロッパ事務所の漁業認証担当マネージャーのギスリ・ギスラソンは、「今回、グリーンランド漁業にとって初のMSC認証の取得を発表することを大変喜ばしく思います。今回の成果はグリーンランドの漁業者とその関係者の多大な努力の結果、生み出されたものです。グリーンランドの輸出額の半分はエビ漁業によるため、この漁業は経済的・文化的に大変重要です。今回の認証プロセスに関わったすべての関係者に対し祝福と感謝の気持ちを述べたいと思います。MSCは、グリーンランドの継続的な努力を期待しています。」としています。