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ソロモン諸島のカツオとキハダマグロ漁業がMSC認証を取得

ソロモン諸島の巻き網漁および一本釣りによるカツオとキハダマグロ漁業がMSC認証を取得しました。これにより、同諸島の漁業は漁獲対象であるカツオおよびキハダマグロの資源を適切に管理し、MSCの厳格な要求事項を満たした持続可能な漁業であると認められたことになります。

認証取得に率先して取り組んだトライマリン社とその子会社、ナショナル・フィッシャリーズ・ディベロップメント(NFD)はこれにより、より多くのMSCラベル表示付きマグロを供給できるようになります。

トライマリン社は先月にも、中西部太平洋における自然のカツオおよびキハダマグロ魚群を漁獲対象にしている米国領サモアの巻き網漁業の代表者としてMSC認証を取得したばかりで、その功績により、ナウル協定加盟国(PNA)のみならず、米国領海、南太平洋フォーラム漁業機関に加盟する複数の国の領海、そして公海のマグロ類もMSC認証の対象となりました。

トライマリン社の環境方針ディレクター、マシュー・オーウェンズ氏は今回の快挙について次のように述べました。「今回の認証により、持続可能な漁業に取り組んでいるソロモン諸島の努力が晴れて公に認められたことになります。これらのソロモン諸島の漁業では持続可能な巻き網漁および1本釣り漁法によってマグロ類を漁獲しているため、水揚・加工されるマグロ類に最大限の付加価値を付けて出荷することができます。」

ソロモン諸島の人々の食と安定した暮らしに貢献

今回新たにMSC認証を取得した漁業はソロモン諸島の主要群島(MGA)内の中西部太平洋(WCPO)および自国の排他的経済水域で操業を行っており、カツオおよびキハダマグロの年間水揚量は25,000-30,000トンです。そのほとんどがソロモン諸島の西部州、ノロ地区にあるソルツナ(SolTuna)社で加工されています。

ソルツナ社ではツナ缶、調理加工した冷凍ロイン、魚粉および魚油を製造しています。ソロモン諸島で販売されているツナ缶の大半はソルツナブランドのもので、ソルツナ社は国の食糧保障の面でも重要な役割を担っています。ソルツナ社のツナ製品はMSCラベル表示ツナ製品に対する需要が高まっているヨーロッパおよび太平洋地域にも出荷されています。

NFD社とソルツナ社の経営はいずれも現地化されており、ソロモン諸国有数の民間企業として2,000人以上を現地雇用しています。

環境に配慮した持続可能な漁業

ソロモン諸島の漁業を指導する立場の人たちはこぞってMSC認証取得を歓迎し、地元活性化への期待を表しました。その中の一人、ソロモン諸島業海洋資源省次官のクリスチャン・ラモファフィア博士は次のようにコメントしました。「この認証取得は大いなる功績であり、適切に管理された持続可能な漁業のためのグローバル規準を満たすために、これまで努力して結果が報われたことになります。私たちは引き続きすべてのステークホルダーと協働し、今後もMSC認証を確実に維持するようにしたいと考えています。」


独立した第三者機関であるMRAG アメリカの審査員および専門家チームは、ソロモン諸島漁業について、その資源量は健全であり、環境へのインパクトは最小限に抑えられ、適切な漁業管理を推進するためのMSCの要求事項に準拠していることを認め、WCPOのカツオおよびキハダマグロの資源量がいずれも健全なレベルにあって、今後もそのレベルを維持できる状態にあることを確認しました。

ソロモン諸島のマグロ漁業は複数の国、地域の管理下にあり、ソロモン諸島マグロ資源管理開発計画およびナウル協定当局の操業日割当制度などにより漁獲努力量が制限されています。中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)による資源管理の枠組みにも入っています。

MSC認証対象の各漁船には、MSCのみならず各種法令や規制の要求事項を確実に順守していることを確認するために、オブザーバーが乗船します。

MSC認証マグロ

MSCのグローバル漁業コーディネーター、ジム・ハンフリーズは次のように述べています。「中西部大西洋のマグロ類漁船が次々とMSC認証を取得していることを大変嬉しく思っています。これは、各漁業が科学的根拠に則った漁業管理およびサプライチェーン管理に真摯に取り組んできていることを物語っています。MSCの持続可能な漁業のための認証規準は最優良事例に基づいており、世界で最も信頼されている規準です。MSC認証を取得したことによって、各漁業はその規準を満たしていることを認められたのです。」

2015年度に水揚げされたMSC認証マグロは、総マグロ漁獲量の16%に相当する842,000トンでした。MSC認証マグロへの需要は、北米、ヨーロッパ、オーストラリアとニュージーランドで特に際立っています。

改善への継続的な取り組み

MRAG アメリカの独立審査チームは、ソロモン諸島漁業が MSCの厳しい規準を満たした優れた漁業であることを認めた上で、認証に対し5つの条件を付けました。ソロモン諸島の漁業はこれらの条件を満たすために、より明確で柔軟な対応が可能な漁獲管理方策を打ち出し、管理目標を実現するための行動計画を策定しました。また、最新の調査研究を基に推奨される行動、モニタリングおよび評価の結果についても文書化し、ステークホルダーに公開することになりました。

MSCのハンフリーズは最後に次のように述べています。「将来にわたってマグロ資源を確保するためには国際的な協力が不可欠です。長期的な持続可能性を確実なものとするため、MSCは、地域漁業管理機関によるマグロ漁業の適切な管理のサポートを目的とした漁業、NGO、小売業者、外食産業間での協働を推進しています。」

追跡可能なサプライチェーン

トライマリン社は先日、MSCのグループCoC認証取得に必要な手続きを完了しました。この結果、ソロモン諸島漁業のマグロはMSCの青いエコラベルを付けて出荷できるようになりました。CoC認証サプライチェーンでは、認証マグロと非認証マグロの分別が徹底して行われます。