Skip to main content

MSCの最新ニュースをご紹介するプレスリリースです。

MSCジャパンのプレスリリースをメールで受け取りたい方は、 こちらの登録フォームよりお手続きください。

デンマーク北海のマダラ漁業がMSC認証を取得

デンマークの北海マダラ漁業が、長く待ち望んだMSC認証を取得しました。デンマーク漁業生産者団体(The Danish Fishermen Producer Organisation: DFPO)のメンバーによるマダラ漁業は良く管理されており、MSCの持続可能な漁業のための厳格な要求事項に合致するものであると認められました。
DFPOの代表、スヴェンド-エリック・アンデルセン氏は次のように述べました。「北海とスケガラック海峡のマダラ漁業として初のMSC認証取得となったことを誇りに思います。MSC認証は漁業の持続可能性を代表する認証規準であります。」

サクセスストーリー

北海のマダラは長期にわたって漁業者、政治家、科学者らにとっての心配の種でしたが、過去10年間でこのマダラ資源は大きく回復しました。漁獲量の削減、調査と分析の改善、入念な漁業管理などの長期回復計画が功を奏し、年ごとにマダラの個体数が増加するようになりました。現在のマダラ資源は、1980年代当時と同等のレベルにまで回復しています。
アンデルセン氏は加えて、次のようにコメントしました。「この10年間、資源は着実に増えてきており、漁業者たちも、より慎重に選択性漁具を用いて漁業を行うようになりました。」

MSC 漁業規準に則って今回の審査を行った独立認証機関のアコーラ・マリン(Acoura Marine)は、このマダラ資源は順調に回復しており、継続的な回復が期待できるだけの十分な成魚数があるとしています。これについては、2016年資源評価においても、漁獲量の削減と共に、マダラの資源状況も継続的な回復傾向にあることが確認されています。
スカンジナビアのMSCディレクター、ミナ・エッブスは次のように述べました。「DFPOは北海のタラ資源の改善のために取り組んできましたが、今回のサクセスストーリーで管理者と漁業がその功績を認められたのは時宜に適ったものだと思います。」

継続的改善

この漁業はMSC認証を維持していくために、今後5年間にわたって更なる改善措置に取り組み、北海マダラの長期的な持続可能性を確実なものにしていかねばなりません。この認証では、マダラの漁獲量が長期的に持続可能なレベルを維持できるものであることが要求されており、また効果的な資源回復戦略および堅固な予防措置的漁獲戦略を実施することが求められています。毎年の年次監査で、これらの進み具合が確認されることになっています。
WWFデンマークの漁業・養殖プログラムマネージャー、クリストフ・マティエセン氏は次のようにコメントしました。「北海のマダラ漁業がMSC認証取得に成功したことは、この漁業資源が着実に回復していることを明確に示したものです。この象徴的な漁業がMSC規準の要求事項に合致し認証取得に至ったことをたいへん喜ばしく思っています。認証と共に課された条件に取り組み、引き続き更なる持続可能性を実現してくれることを期待しています。」

新鮮なMSC認証北海マダラ

MSC認証マダラおよび生鮮マダラへの高い需要があることから、デンマークの消費者と小売業者も今回のDFPOの北海のマダラ漁業によるMSC認証取得を歓迎しています。またDFPOは、ドイツ、フランス、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、イギリスに鮮魚と冷凍のフィレの輸出も行っています。このデンマーク漁業による水揚げ量は年間およそ9000トンです。
DFPOの北海マダラ漁業は、既に認証を取得しているDFPOの北海とスカゲラック海峡のシロイトダラ(学名:Pollachius virens)漁業の拡張として今回の認証を取得しています。この漁業は、マダラと共にシロイトダラやその他の魚種の漁獲が行われる多魚種漁業であり、そのため今回の審査においては追加された漁業、つまりマダラ資源のみについて評価が行われました。
この漁業(マダラとシロイトダラを含む)は、2017年にMSC規準に照らした再審査を受けなければなりません。マダラ漁業によって達成される改善事項についてはこの再審査の一部として評価されることになります。