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ニュージーランドのホキ漁業がMSC環境基準の再認証を取得

ロンドン―ニュージーランドのホキ漁業が本日(2007.10.31)、海洋管理協議会 (MSC)[1]の、よく管理された持続可能な漁業のための環境基準による再認証を取得した。 認証登録証は、SGS [2]から深海漁業ステークホルダー・グループに対して発行され、5 年間有効となる。これにより、この漁業の漁獲物には今後もMSCのブルーのエコラベルが 表示されることになった。
 
この漁業は、認証機関のSGSおよび独立専門チームによる再審査を受け、MSCの持続可能 な漁業のための環境基準を満たすものと認められた。さらに、独立の異議申立委員会が見 直しを行い、この認証機関による当該漁業の再認証決定を支持した[4]。
 
認証は、日程を定めた行動計画に従って、SGSが認証報告書に掲げる条件を確実に満たし、 定期査察に通ることで取得される。行動計画の主な項目は以下のとおり。
 

  • 激減した西部資源の再建計画を立案、実施し、回復が予測より遅れた場合は年毎 に計画を更新すること
  • 海鳥(特にアホウドリ)の死傷リスクを、全ホキ漁船による投棄物の管理その他 の手段により、認証後3年以内に削減すること
  • 情報の改善および効果的な混獲緩和のための7つの具体的な行動とともに、オッ トセイへの影響の削減を、認証後15ヶ月以内に完了すること
  • 明確な管理方針、ホキ資源に必要な情報、および生態学的リスクアセスメントの 更新を含む漁業計画を、今後1年の間に実施すること
  • 広範な海底生息域および生態系の保護のために、要所に保護区を設けること
  • 外部による査察が行なわれる管理システムの戦略的な概要

「ホキ漁業は、長期にわたる綿密で透明なプロセスを経てここまでたどり着きました。こ の最終結果と、漁業が直面する未解決の問題に取り組む明確な決意を喜ばしく思います。 混獲の削減と西部資源の回復の重要性は誰もが認識するところであり、MSCのプロセスに
おいてそれらの目標を達成することは、今後もこうした成果に寄与することになります」 と、MSCの最高責任者、ルパート・ハウズは語った。
 
深海漁業ステークホルダー・グループのGeorge Clement氏は、「ニュージーランドのホ キ漁業の認証は、それが世界で最もよく管理された最も持続可能な漁業のひとつであるこ とへの、独立した保証となります。我々は、2年間のプロセスを経て下されたこの最終決 定を歓迎し、継続的改善のプロセスとして、持続可能な漁業管理を守っていきます。これ は完成するということではなく、最適なパフォーマンスを遂行するということなのです。 過去10年の環境変化による西部資源の減少や、トロール漁の環境への影響に対する懸念 の高まりによって、新たな管理手段を求められていることは認識しています。これらの問 題に我々は前向きであり、取り組みもかなり進んでいます。消費者はこれまでどおり、持 続可能な漁業であるとの確信を持って、今後もニュージーランドのホキを選ぶことができ るのです」と述べた。

ニュージーランド漁業省の深海担当官、Stefan Leslie氏は、ホキ漁業の再認証を歓迎し て次のように述べた。「ホキ漁業が再認証プロセスを完了したことに喜んでいます。いく つかの問題点が認められましたが、すでに改善されつつあります。我々は深海漁業グルー プとともに、これからもこの漁業のさらなる実績向上に努めるとともに、当面はそうした 問題点の改善に焦点を当てていくことになります。」
 
およそ70の漁業がMSCの取り組みに携わっている。合計で24の漁業が認証を取得してお り、34の漁業が本審査中である。さらに20から30の漁業が非公開予備審査の段階にあ る。これらの漁業を合わせた水産物の年間漁獲量は400万トンを超える。これは、世界の 天然サケ漁獲量の42パーセント、世界の主要な白身魚漁獲量の40パーセント、世界の食 用イセエビ漁獲量の18パーセントに当たる。[5]
 
以上
 

詳細:

[email protected]、MSC、電話 +44 20 7811 3300

編集の方への注釈:

 [1] 海洋管理協議会(MSC)は、魚の乱獲問題に対する解決策を推進すべく、1997年に設 立された国際非営利組織です。MSCは、天然魚漁獲漁業対策で唯一広く普及した環境認証 と、エコラベリングの運営に取り組んでいます。MSCの持続可能な漁業のための環境基準 は、3つの大原則、すなわち魚種資源の持続可能性、海洋生態系への影響を最小限にする こと、および効果的な管理、に基づいています。
 
[2] SGSは、MSCの基準に照らして漁業を審査するよう認定を受けた、独立の認証機関で す。詳細はwww.sgs.comにて。


[3] 深海漁業ステークホルダー・グループは、研究、管理、組織、支援における株主間の 協同により、ホキ漁業の管理と経済性を向上させることを目標とする私企業です。
 
[4] 審査と見直しについての全詳細がwww.msc.org/track-a-fishery/certified/pacific/new-zealand-hoki/reassessment-downloadsにてご 覧いただけます。
 
[5] MSCの取り組みに参画する全漁業と、MSCエコラベルが付された900の水産製品すべ てのリストが、www.msc.orgにて閲覧できます。