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フェロー諸島の低廃棄冷水のホッコクアカエビ漁業がMSC認証を取得

フェロー諸島、北東大西洋のホッコクアカエビ (Pandalus borealis)漁業は、持続可能で適切に管理されている漁業として、MSCの漁業認証を取得しました。この認証をとりまとめたのは、甲殻類を専門に取り扱うデンマークの水産会社のマレスコ社で、認証の適用範囲にある3隻の漁船は、バレンツ海および北東北極海で年間およそ4,500トンの漁獲量を誇っています。

最小限の混獲と廃棄

本漁業は環境への影響が少ないという面で特に高得点を収めました。3隻の漁船には混獲を防ぐための選別用のグリッドが装備され、その結果廃棄も1〜3%に抑えられています。また、どの漁船のトロール網にも水中カメラが設置され、漁の様子がモニタリングできるようになっています。これにより、漁具による海床への影響について更に詳しいデータが得られるようになっています。

豊富なエビ資源

エビはバレンツ海全域および北東北極海のスバールバル近海に生息しています。広範囲にわたるものの、一つの魚種として見なされ、NAFOとICESが共同で行った資源評価の結果、1970年代から健全で豊富な資源量を誇っています。

マレスコ社のマネージング・ディレクター、エイズン・ダーフス氏は次のように話しています。「MSC認証を取得できたことは大変喜ばしく、誇りに思っております。今やMSC認証の取得は私たちにとって不可欠なことであり、お客様もそれを強く求めているからです。北東大西洋で長く操業を続けて行くために、私たちはこれからも日々の業務において『持続可能性』ということばをキーワードに掲げていきます」。

アイスランド、グリーンランドおよびフェロー諸島地域のMSCマネージャーであるギスリ・ギスラソンは次のようにコメントしています。「今回の認証で、この半年間にフェロー諸島の3つの漁業が認証を取得したことになります。フェロー諸島における持続可能な漁業への意気込みが反映された結果です。環境への影響を抑えた、適切に管理された漁業としての評価は3隻の漁船で働く漁業者の皆さんとそれを管理する会社の努力の賜物です。世界中に存在するMSC認証漁業の仲間入りを果たされたことを大変うれしく思います。MSCの漁業認証がマレスコ社にとって価値ある有益なものなることを期待しています。

フェロー諸島の冷水エビ漁業について

現在、フェロー諸島の冷水エビ漁業は、Havborg FD 1160、Sermilik II VN 668、Arctic Viking VN 123の3隻の漁船によって操業されています。2011年の総漁獲量は4,500トンでした。

漁はバレンツ海(ICES I および II, FAO 27)で網目の小さいトロール網を使って年間を通して行われます。ほとんどの漁は水深250から400メートルで行われ、最も深いところで800メートルです。主な製品はむきエビにする生エビやヨーロッパや中国市場向けの加熱した殻付きのエビ、そして主に日本とヨーロッパの市場に向けた寿司用の殻付きの生鮮エビです。

バレンツ海の冷水エビ資源は、ロシアやアイスランドの漁船に加え、今年の3月にMSC認証を取得したばかりのノルウェーの漁船も漁獲を行っています。

マレスコ社について

甲殻類を専門に取り扱うマレスコ社は2003年に創業しました。この地域のエビ加工業者としては、最も革新的でクリエイティブなビジョンを持っており、自社の船で品質の優れた製品を提供しています。3隻の漁船では熟練の漁業者がエビを漁獲・加工し、自社ブランドの箱に梱包し、製品の品質と鮮度を確かなものにしています。エビはこの漁業で昔から行われて来た伝統的な方法で加工され、大きいものは丸ごと冷凍され、主に日本で輸出されています。中くらいのサイズのエビは加熱処理後、丸ごと冷凍されて、北欧(ノルウェー、スウェーデン)およびフランス、中国に販売されます。小さいエビは殻ごと冷凍し、むきエビ加工業者に販売されます。