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フランス6 例目の漁業がMSC 認証取得を目指す

2010年9月2日(パリ)―ユーロノ―ル(EURONOR)[1]とサン・マロ漁業会社(Compagnie des Pêches Saint Malo[2])が、漁獲するタラとハドックに対するMSC認証を共同で申請しました。

 業認証取得へ向けた共同の取り組み

両社が所属する生産者団体であるFROM Nord[3]が、当漁業のMSC認証審査プロセスを支援します。この団体は、北東北極海におけるタラ(Gadus morhua)とハドック(Melanogrammus aeglefinus)に対するフランスの漁獲枠の全部を保有しており、例年ユーロノ―ルとサン・マロ漁業会社がその漁獲枠を分け合います。 

サン・マロ漁業会社のトロール船Grande Hermineによる水揚げの大半はタラとハドックです。ユーロノ―ルは主に北海のセイスを対象(2010年3月にMSC認証取得)としていますが、3隻の冷凍トロール船(Cap Nord、Klondyke、Nordic II)は、北東北極海のタラとハドック漁業でも使用されています。 

ユーロノ―ルのセイス漁業は、MSC認証を取得したフランス初の漁業であり、サン・マロ漁業会社も現在セイス漁業で認証審査中です。

パートナーからのコメント

FROM Nordのディレクター、ティエリー・ミソニー氏は、以下のようにコメントしています。「我々は、MSC認証取得に向けたメンバーの取り組みを支援しています。それは、漁業資源を持続可能に管理しようという我々の取り組みの一環なのです。我々のメンバーは既にセイスについてMSCの認証審査プロセスに入っています。1960年のFROM Nord設立以来、我々はユーロノ―ルおよびサン・マロ漁業会社と極めて密接に協力し、この両方の資源を管理すべく、一貫した、環境に優しい方策を実施してきました。この共同の取り組みは、管理方針の強化に対する我々の意志の証明なのです」。 

ユーロノ―ルのCEO、ザビエ・ルデュック氏は、「我々は3月にフランス初のMSC認証取得漁業となりましたが、その姿勢を守って行くつもりです。より多様なMSC認証取得製品を提供できるようになり、この比較的新しいエコラベルをフランス中に広められればと思っています。我々の漁業認証審査の結果は、MSCのフランスでの広まりに影響します。我々の取り組み継続し、より多彩な製品が扱われるようになれば、より多くのフランスの消費者に届くはずです。フランスでのタラとハドックの需要は高く、2011年にはMSC認証を取得したタラとハドックをフランスの市場に供給できるものと考えています」と話しています。 

サン・マロ漁業会社の広報マネージャー、マルティーヌ・エドゥアルド氏は、次のように話します。「フランスの消費者は、環境問題により関心を持つようになりました。我々は、世界的に認められた独立の認証制度を用いて、自分たちの持続可能性の科学的な証拠を、そうした消費者に提示できるようになりたいのです。また、MSC認証には、フランスにおいて我々の製品の価値をあげるとともに、輸出を伸ばすことも期待しています」。

 MSCのコメント

MSCヨーロッパ地域ディレクター、ニコラ・ギュイショーは、次のようにコメントしています。「またひとつ、フランス漁業が自らの環境への配慮と漁業操業の評価法としてMSCを選んだことは喜ばしい限りです。認証されれば、この漁業からの水産物によって、フランスにおけるMSC製品は多様化し、また、この漁業は様々な輸出市場に参入できるようになるでしょう。漁師による独立の認証制度への取り組みは、消費者の意識を高め、より多彩なMSC認証取得持続可能水産物を消費者に提供する上で欠くことのできないものです。また、関係者の漁業審査への参加も、MSC制度の主要部分であり、多数のステークホルダーが審査に関わってくれることを望んでいます」 

MSCフランスマネージャーであるエドゥアルド・ル・バールは、「ユーロノ―ルとサン・マロ漁業会社は、既にセイスでMSC認証制度に携わっており、新たな2魚種、すなわちタラとハドックを対象とする共同での認証申請は、両社のMSC制度への信頼の表れであると思っています。この水域における両魚種のフランス漁獲枠を管理しているFROM Nordの参画も、このプロジェクトに結束をもたらすものです。フランスにおけるセイスとイワシ漁業での認証取得、また、現在審査中のロブスターとメロに付け加えて、この新規申請によって、フランスの生産者やサプライチェーンでの、MSCエコラベルへの関心がますます高まることでしょう。この新たな審査での成功を期待しています」と付け加えます。 

以上

 *団体名などの表記はご参考としてのものです 

[1] EURONOR(ユーロノ―ル)、Comptoir des Pêches d’Europe du Nordは、ブローニュ・シュル・メールの二つの大船主、すなわち1929年創業のSociété Boulonnaise d’Armement Le Garrecと1945年創業のNord Pêcheriesが、2006年1月に共同で設立しました。共通の開拓精神と価値観を有するル・ガレック家とルデュック家が、ヨーロッパにおけるセイスや深海種の漁業において活躍するため、経験と知識を共有することにしたのです。ユーロノ―ルは、2010年3月、そのセイス漁業において、フランス初のMSC認証取得漁業となりました。 

[2] Compagnie des Pêchesは、サン・マロ漁業会社に属する有限会社です。18隻構成の船団を所有し、フランス、ノルウェー、フェロー諸島、グリーンランド、およびガイアナの漁場で操業しています。同社は170名の船員と航海士を擁し、海上のスタッフは、ヨーロッパ、アジア、北部アフリカで食用に供される水産物の漁獲、加工、包装、冷凍を船上で行ないます。

2005年に「持続可能な開発オスカー賞」を授与されたCompagne des Pêchesは、MSC認証取得を目指すことで、持続可能な開発を目指した内部方針をより発展させることを望んでいます。サン・マロ漁業会社は、現在そのセイス捕獲部分に対するMSC本審査を受けています。

[3] FROM Nordは、1960年にブローニュ・シュル・メールで創立され、ブローニュ港最後の船主(ユーロノ―ル)、サン・マロ漁業会社、ブローニュとカレーにおける網漁師の大半、およびディエップ、フェカン、ビスケー湾の船主を含んでいます。