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ヘイスティングスの漁業がツノガレイ漁としてイギリス初の認証を取得

ヘイスティングス漁師保護協会のツノガレイ(学名: Pleuronectes platessa)漁業がMSC認証を取得し、本日、イギリス初の持続可能なツノガレイ漁業の誕生を祝う式典が行われました。
ヘイスティングスの漁船団は、既に持続可能なニシンとシタビラメ漁業でMSC認証を取得していますが、今回、このツノガレイ漁業についても認証審査を終え、認証取得が実現しました。これにより、ヘイスティングスで水揚げされるすべてのツノガレイに、MSCエコラベルの表示が認められ、消費者は店頭やレストランでエコラベルを見て持続可能なツノガレイを選ぶことができるようになります。


長い歴史

今回認証を取得した27隻の漁船は、風光明媚なステイド海岸を拠点としています。この地では千年以上も前から漁が営まれており、砂浜から出漁する漁業船団としては英国で最も長い歴史を誇っています。ヘイスティングスで水揚げされたMSC認証のシタビラメおよびニシンは、既に地元のレストランや鮮魚店、英国各地のレストランで提供されており、今回、ツノガレイが加わったことによってMSC認証魚種が3つとなり、ハットトリックを達成しました。
ドーバー海峡東部での各国漁船による2014年のツノガレイの総水揚げ量が4000トン近くであったことに鑑みると、ヘイスティングスのツノガレイの水揚げ量は104トンと小規模ではありますが、付加価値の高いシタビラメも併せて漁獲されており、この漁業が地元雇用の重要な柱となっています。船上あるいは海岸で働く漁師およそ100人に加えて、地元の水産市場や関連事業に従事する人たちが250人います。
ヘイスティングス漁師保護協会会長のポール・ジョイ氏は今回の認証取得について次のように述べました。「この度の認証取得により、持続可能なニシンとシタビラメに加え、持続可能なツノガレイも供給できるようになったことを大変嬉しく思っています。私たちはヘイスティングスの魚が一番だと思っていますから、最高の味や品質だけでなく、海を守る漁法によって獲られた魚であるという安心感を、英国のシーフード好きの人々に提供できるようになったことは喜ばしいことです。」


小規模な伝統漁業

MSCの英国およびアイルランドの漁業担当マネージャー、クレア・ペスコッド はポール・ジョイ氏のコメントを受けて次のように述べました。「MSC認証漁業はその形態も規模も様々です。ヘイスティングスの例は、小規模な伝統漁業であっても、持続可能な水産物を求める今の消費者のニーズを満たすことができることを、端的に示してくれています。英国で水揚げされる認証魚種のリストには、既にヘイスティングスの魚種が含まれていますが、更にツノガレイが加わったことは本当に素晴しいことです。」
MSCエコラベルが表示されたシーフードを消費者が選択することで、持続可能な調達に取り組んでいる漁業や小売業、ブランドおよびレストランが報奨され、それが更なる改善へのインセンティブとなり、将来にわたる海洋資源の保全に貢献できるのです。


地元からの資金援助

既に他の魚種の認証を取得している漁業については、認証プロセスが簡素化され費用も軽減されますが、今回のツノガレイ漁業の認証費用は、ヘイスティングスFLAG(漁業ローカルアクショングループ)の資金援助によって賄われました。FLAGの副会長でヘイスティングスの市会議員でもあるドーン・プール氏は次のように述べました。「ヘイスティングス漁師保護協会がシタビラメとニシンに加え、ツノガレイ漁業についてもMSC認証を取得したことを、たいへん嬉しく思います。ヘイスティングスの漁業は長い歴史を持つ由緒ある伝統漁業です。ヘイスティングスFLAG の支援のおかげで、消費者は適切な管理が行われているヘイスティングスのツノガレイを購入できるようになりました。」