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ベトナムのミスハマグリ漁業が東南アジアで初めてMSC認証を取得

ベトナム、ハノイ――ベトナム、ベンチェのミスハマグリ漁業が海洋管理協議会(MSC)の認証を取得し、MSCの持続可能性と管理の基準を満たす東南アジア初の漁業となりました。

ベトナム国内ではよく知られたベンチェのミスハマグリ(Meretrix lyrata)は、金属の貝掻きを使って手で獲られ、袋に集められます。収獲後すぐに、国内市場に販売され、ヨーロッパ、アメリカ、日本、中国、台湾へ輸出されます。

ベンチェ省には、65キロメートルの沿岸域と、4,800ヘクタールのマングローブ保護林があります。見事な生物多様性を誇るこの重要地区で、ミスハマグリ漁業は経済的に不可欠な役割を果たしています。

この漁業を運営するのは地元の協同組合で、その地域内におけるミスハマグリの稚貝や収獲可能なハマグリについて厳密な管理と調査を行なっています。ベンチェ人民委員会とベンチェ農業農村開発局(DARD)が、この協同組合に支援と助言を行い、ベンチェDARDとWWFが協同でMSC認証プロセスへの資金援助を行いました。

ベンチェDARDの副局長のTran Thi Thu Nga氏は、「私たちのミスハマグリはEU市場に多く輸出されていますが、さらなる海外進出の手段を考えております。MSC認証取得によって、自らの製品に信用あるMSCエコラベルを表示し、世界中の顧客に売り込む権利を私たちは得たのです」と述べました。

MSCの最高責任者、ルパート・ハウズは、「ベンチェのミスハマグリ漁業によるMSC認証取得にお祝い申し上げます。これは、東南アジアで初めてMSC認証取得を達成した小規模でコミュニティを主体とした漁業という画期的なできごとです。また、この認証取得によって早くも持続可能な資源に依存するこの村落に利益がもたらされていると聞き、たいへん喜ばしく思うとともに、他のベトナム漁業もほどなく第三者による審査に進むようになることを、大いに期待しております」と述べました。

1997年、省の行政は、漁業コミュニティが協力して運営管理を行う、ランドン漁業協同組合を設立しました。2007年には、この協同組合の収益が400億ベトナムドン(およそ220万米ドル)に達し、組合員の収入を大きく増やしました。現在ではさらに10のミスハマグリ協同組合が設立されており、ベンチェのミスハマグリ地域すべてをカバーする協同組合の連合体をなしています。

WWFの漁業担当者、Nguyen Thi Dieu Thuy氏は、「ベトナムおよび東南アジア初のMSC認証取得に貢献できたことを、嬉しく思っています。私たちの主要な任務の1つは、経済発展と自然環境の維持を調和させることです。その中で、ベンチェのミスハマグリ漁業のMSC認証取得は大きな成功でした。重要なのは、ベンチェ漁業が今後、全国的にも地域的にも、持続可能な漁業の模範的存在になるということです」と述べました。

WWFアメリカ・漁業プログラムの主要バイヤーイニシアチブの副ディレクター、Meredith Lopuch氏は、「東南アジア初のMSC認証取得漁業として、ベンチェのミスハマグリ漁業は、認証制度が、資源を守り、地元の共同体を維持し、事業に好影響をもたらすことを同時に可能にすることを示すという点で、大きな役割を果たすことでしょう」と述べました。

ベトナム政府とMSCは、2005年5月に覚書(MOU)を交わし、MSC認証の推進によって、同国における持続可能な漁業の促進に協同で取り組むことを宣言しました。最初の合意は3年間のもので、2008年に更新されました。

MSCのルパート・ハウズは、「ベトナムは、MSC認証による持続可能な漁業の推進を公約した初めての国です。本日、私たちは、ベトナム・ベンチェのミスハマグリ漁業の認証取得によって、東南アジア初となるMSC認証の成功を祝っています。これは、この地域で持続可能な漁業管理の推進していくベトナムの先駆的な役割を裏付けるものです。また、ベンチェ漁業のMSC認証取得に向けたWWFのパートナーシップと支援に対して、私は多大な感謝の念を抱いております。本日、ベンチェ漁業は、WWFの支援によってMSC認証取得を達成した他の多くの漁業に加わることになったのです」とコメントしています。

MSCは先ごろ、MSCの漁業審査方法(FAM)に、リスクベースフレーム(RBF)を追加することを発表しました。RBFにより、データの限られた漁業がMSC認証取得に向けた審査を受けられるようなります。

ベンチェのミスハマグリ漁業は、RBF審査方法を試行する漁業の1つでしたが、最終的には当時使用されていた従来の審査方法を用いた審査が行なわれました。

以上