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ロシア北部の歴史ある漁業がMSCの認証を取得

ロシア、ポモリイエ地方(白海沿岸部とその周辺)最大規模の漁業、アルハンゲリスクトロール漁船団(Arkhangelsk Trawl Flee: ATF)が海洋管理協議会(MSC)の漁業規準認証を取得しました。

MSC規準は世界で最も信頼され認知されている持続可能な天然漁獲水産物のための環境規準です。今回の認証取得によりATFは、将来の健全な海洋生態系を守るために取り組む、世界で280を超える先駆的なMSC認証取得漁業の仲間入りを果たしました。

この漁業によるタラとハドックには、持続可能で管理の優れた漁業による製品であることを示すMSCの青いエコラベルを表示して販売することができます。MSC認証を取得したことで、この漁業による取り組みが世界で認められ、また、将来の水産物供給も守られることになります。

1920年からロシアの消費者に水産製品を提供してきたATF は、ロシア北部で最も古い漁船団のひとつです。底曳き網を使用するこの漁業は5隻の漁船を所有し、バレンツ海及びノルウェー海域内で操業しています。

大きな功績

MSCの欧州地域ディレクター、カミエル・デリッヒは次のように述べました。「タイセイヨウタラとハドックは、ロシアをはじめ世界の白身魚市場において大きな需要がある魚です。北東大西洋でタラとハドックを漁獲する様々な漁業が既にMSC認証を取得している中で、株式会社アルハンゲリスクトロール漁船団もまた認証取得に成功したことは大きな功績です」。

「海洋生態系の保護のために取り組む多くの漁業のグループにATFが仲間入りを果たしたことを誇らしく思います。この漁業による製品にMSCエコラベルが表示されるのを見るのを今から楽しみにしています」。

2014年のこの漁業の年間漁獲割当量はタラが30,803トン、ハドックは5,296トンでした。この漁業による主な製品は、船上凍結された頭なし腹抜き(ドレス加工:H&G)および切り身にされたタラとハドックです。

ATFのエグゼクティブ・ディレクター、セルゲイ・ネスベトフ氏は次のようにコメントしました。「MSC認証を取得するプロセスの中で、バレンツ海とノルウェー海における私たちの伝統的な漁業に関わる環境的な問題について多くのことを学ばせてもらいました。私たちにとってMSC認証は、新しい市場に参入するためだけのものではなく、ステークホルダーと協力して北部の海洋環境を改善していくチャンスを獲得することでもあるのです」。

持続可能性の基準を満たす

第三者認定認証機関のアコーラ・マリン・リミテッドがこの漁業の審査を15ヶ月にわたって行いました。

アコーラ・マリンのマネージング・ディレクター、マーチン・ギル氏は次のように述べました。「ATFでは要求された規準に合致するために努力を重ねてきました。今回の成功によって他の漁業もまた持続可能性を改善するためにMSC認証取得を目指すようになってくれれば素晴らしいことだと思います。MSCラベルを望む消費者からの声が高まり続けている中で、ATFはその持続可能な漁業への取り組みによって大きな恩恵を得られるものと確信しています」。

水産科学と政策の専門家による認証機関アコーラの審査チームは、MSC漁業規準の3つの原則―漁業資源の状態、漁業の海洋環境に及ぼす影響、そして漁業の管理状況に基づいて審査を行いました。