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世界初のMSC認証タコ漁業が誕生

スペインの漁業がタコ漁業として世界で初めてMSC認証を取得しました。これにより、アストゥリアス州西部の4つの伝統漁業組合が出荷するタコには、持続可能な漁業による水産物であることを示すMSCエコラベルを付けることが認められます。

MSC規準は、環境に配慮し持続可能な天然漁業を対象とした、世界で最も認知され信頼されている認証規準です。認証を取得したことによりこのタコ漁業は、豊かな海洋生態系を持続させるための取り組みを続ける、280を超えるMSC認証漁業の仲間入りを果すことができました。

今回認証を取得したアストゥリアス州のタコ漁業は4つの漁業組合(Nuestra Señora de la Atalaya de Puerto de Vega、Nuestra Señora de la Caridad de Ortiguera、Santo Ángel de la Guarda de Viavélez、San Pedro de Tapia de Casariego)によって構成されており、これら4つの組合が健全な資源量を維持している持続可能性な漁業であることを証明するために、1つの船団としてMSCの本審査に入る決断をしました。この船団はアストゥリアス州西部のナビア=ポルシア地方で伝統的漁業を営む27隻の漁船から構成されています。

4つの漁業組合を代表して、ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・アタラヤ地域ベガ港の漁業組合会長、アドルフォ・メンデス氏は次のように述べました。「世界初の持続可能なタコ漁業となったことを大変うれしく思っております。これにより私たちの持続可能な漁業への取り組みが認められたことになります。私たちはアストゥリアス西部の伝統的な小規模漁業ですが、1年以上にわたる努力のおかげで認証取得を達成することができました。沿岸コミュニティーおよび持続可能な環境を守って行くためには、海を守ることが不可欠だと私たちは考えています」。

地元で人気のタコ

タコは不思議な生き物です。捕食されないために色や質感、形を変えることができます。タコは地中海の国々では特に重宝されています。アストゥリアス州西部の漁業にとっては、その経済的価値の高さと沿岸地域における社会的影響力の大きさによって、大変重要な資源となっています。

MSC スペイン・ポルトガルのカントリーマネージャー、ラウラ・ロドリゲスは次にようにコメントしました。「このたびの認証取得は画期的な成果です。スペインやポルトガルにおけるMSCの最優先事項の1つは、地元の漁業にプログラムへの参加を呼びかけ、地元産の持続可能な水産物の供給を増やすことです。ナビア=ポルシアの漁業組合に心よりお祝い申し上げます。今後も継続して持続可能な漁業に取り組んでいただき、同時にMSC認証のアストゥリアス産タコの市場の開拓が成功することを祈っています」。

独立した第三者による審査

独立した認証機関であるビューローベリタス(BV)はこの漁業の審査を行いました。その結果、タコの資源量は健全なレベルであり、漁業では適切な管理が行われており、海洋生態系への影響も最小限に抑えられていることが認められました。審査は水産科学および政策の専門家からなるBVの審査チームによって、資源の持続可能性、漁業による海洋環境への影響、および漁業の管理システムに関するMSC漁業認証規準の3原則に則って行われました。