Skip to main content

MSCの最新ニュースをご紹介するプレスリリースです。

MSCジャパンのプレスリリースをメールで受け取りたい方は、 こちらの登録フォームよりお手続きください。

世界最大の淡水漁業がMSC認証を取得 ~カナダ・エリー湖~

エリー湖のイエローパーチとウォールアイ漁業がMSC漁業認証を取得しました。カナダの誇るこの世界最大規模の淡水漁業は、適切な管理と持続可能性を実証し、淡水では4番めの認証取得を果たしました。五大湖では初のMSC認証漁業であり、淡水漁業、および内水面漁業としては北米では2箇所めとなります。

認証取得漁船による2014年のイエローパーチの総漁獲量は3,176トンで、ウォールアイの漁獲量は2,132トンです。エリー湖で漁獲されるこれらの魚の相当量がアメリカやカナダ、また世界の市場にもMSC認証水産物として提供されることになります。また、これにより、1,160万の米加国境付近の内陸部の住民には地元で漁獲されたMSC認証水産物が提供されることになります。これは、海の沿岸ではないコミュニティにとっては希少な機会です。

オンタリオ漁業協同組合(Ontario Commercial Fisheries' Association : OCFA)の代表、ティム・ティーセン氏は次のように述べました。「私たちの漁業には長く豊かな歴史があり、持続可能な漁業を行うことにより、現在そして将来の地元の産業の生産性と競争力を安定させることができるのです。持続可能性というものは私たちの産業の特徴であり、エリー湖のイエローパーチとウォールアイ漁業によるMSC認証の取得は実に素晴らしいニュースです。私たちの水産物を購入してくれている企業は、製品が責任ある漁業によるものであることを証明する方法を模索していましたが、MSC認証によって実現したのです」。

エリー湖は世界最大の淡水漁業の拠点であるだけでなく、この水産業によって成り立ち、支えられている多くの地元コミュニティの経済的中心地でもあります。最も重要な魚種であるイエローパーチとウォールアイの漁業や加工などで、地域の独立した中小企業は1,490に及ぶ雇用を生み出しています。

OCFAの主導により取得したこのMSC漁業認証は、カナダのオンタリオ州、アメリカのオハイオ州で水揚げされるイエローパーチとカナダ水系で水揚げされるウォールアイに適用されます。このエリー湖の漁業は、五大湖漁業コミッション(Great Lakes Fishery Commission、GLFC)を通じ、カナダと北米が協力して管理を行なっています。

ティーセン氏は加えて次のように述べました。「この大きなプロジェクトの成功においては、水産加工業者、漁業者、エリー湖委員会(Lake Erie Committee)など、多くのグループや個人による取り組みがありました。エリー湖委員会には、オンタリオ州とエリー湖周辺の米国4州の湖の管理者が所属しています」。

今回の漁業認証に加え、La Nassa FoodsとPresteve Foods Ltdの2つのオンタリオ州のサプライチェーン加工企業がMSCのCoC認証を取得し、エリー湖のイエローパーチとウォールアイをMSC認証製品として売買できるようになりました。OCFAの他のメンバーもまたCoC認証を取得する権利を有しています。

MSCカナダのディレクター、ジェイ・ルガーは次のように述べました。「MSCはこのカナダにとって重要で代表的な漁業をMSCのプログラムに迎えることができることを誇りに思います。カナダの漁業について考える時は常に淡水漁業の重要性を考慮しなければなりません。淡水漁業資源で広く世界に知られている国で、最も信頼され認められている持続可能な漁業規準として、MSCはカナダの内水面漁業による取り組みの拡大に協力していきたいと考えています。エリー湖の認証はたいへん大きな業績であり、他の淡水漁業による認証取得への道筋をつけるものとなることでしょう」。